
「マルチ・ステージ」の時代に求められる新しい学び
セミナーの冒頭、平井氏は「数年かけて行われる予定だったGIGAスクール構想がコロナ禍で一気に進んだため、多くの学校は何もないところから突然『1人1台端末』になり混乱した」と、2020年から続く教育現場の混乱を振り返った。

その上で「端末を『まず使う、とにかく使う』ところからスタートした2021年だが、そもそも端末整備自体はGIGAスクール構想の目的ではない。2022年度は『その端末を活用してどのような学びを実現するのか』というところに、立ち返る必要がある」と語った。
平井氏は「Society 5.0」「人生100年時代」「グローバル化」「人口減少」といったさまざまな社会の変化と、世界中が高齢化社会になりつつある中、日本では「2007年生まれの約半数が107歳に到達する」という長寿化のデータも挙げた。さらに人生について、これまでは「教育・仕事・引退」という3ステージだったのに対し、これからは「途中から学び直したり、起業したり、転職や副業をしたりといった『マルチ・ステージ』となり、高齢でも現役である可能性が高い」と解説する。


こうした変化の激しい時代においては「学校で学んだ知識だけに頼らず、自分をアップデートして常に学び続ける」必要があるという。さらに、産業界が求めている主体性や課題設定・解決能力、創造力やチームワークといったスキルは、これまでの知識伝達型・インプット中心の授業では身につかない。「だからこそ、学び方を変えなければいけないというのが、新学習指導要領の目指すところだ」と平井氏は述べる。