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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

次回のオンラインセミナーは鋭意企画中です。準備が整い次第、お知らせいたします。

EdTechZineオンラインセミナー

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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

イベントレポート(働き方改革)

男性教員の育児休暇取得のリアルとは? 管理職への相談、経済面など気になる話題を経験者が語る!

クジラボ「男性教員の育休トーク~4人のパパ先生のリアルな声をお届けします~」レポート


 近年、働き方改革やワークライフバランスの一環として、男性の育児参画の重要性が認識され、育児休業の取得率が高まりつつある。しかし、公立学校の男性教員の育児休業取得率は、男性地方公務員の半分にとどまっている[※1]ことをご存じだろうか。教員向けキャリアプログラムを展開する株式会社クジラボは、9月17日、「男性教員の育休取得」をテーマとするオンラインセミナーを開催。4人の「パパ先生」が男性育休について赤裸々に語り、質疑応答の時間も設けられた。その模様をレポートする。

はじめに

 今回のオンラインセミナーを主催したクジラボは「教育のオープン化」をミッションに掲げ、教職においても自分らしい生き方やキャリアを選択できることを目指して活動している。さまざまなイベントやセミナーを開催する中で、「男性の育児休業」には注目が集まっており、働き方を選ぶ選択肢のひとつとして意識されていることを実感したという。

 男性の育児休暇取得率は2021年度で9.3%と3年前の2.8%から大きく増えているものの、まだまだ女性と比べて低いのが実情だ。[※2]さらに学校関係者だけに限れば、全国の公立学校約3万2000校に対して男性育休取得者数は1603名[※3]とあまりにも少なく、育休取得の経験がある男性教員が在籍する学校は限られている。

 クジラボによると、管理職や先輩教員が経験していないため、男性教員が実際に育休を取得しようとした際に、学校側が戸惑うケースがよく聞かれるのだという。今回のセミナーには、実際に育休を取得した男性教員一人ひとりの経験を共有し、男性が育休を取得できる環境づくりに少しでも貢献したいという同社の思いがある。

 登壇者のプロフィールは次の通り。

秋田智康先生(40歳、子ども:小1、2歳)

 川越市の中学校で社会科を担当し、教員18年目。2020年からマレーシアのペナン日本人学校に勤務し、現地にて第2子が誕生。2023年4月より妻と共に1年間の育休を取得し、2024年4月に日本へ帰国。復帰後は育児短時間勤務を選択した。

楠本洋平先生(34歳、子ども:小1、0歳)

 和歌山県の公立高校で教員13年目。現在、妻と共に第2子の育休中で、育休の認知を広げるためにnoteで育休エッセイを公開している。

伊藤陽祐先生(38歳、子ども:6歳、4歳、2歳)

 小学校の高学年を中心に担当し、教員16年目。妻と入れ替わる形で2024年4月から育休を取得。育児をしながら勉強時間も確保している。Instagramで子育てをテーマに情報を発信中。

金子綱基先生(37歳、子ども:小5、小1、2歳)

 小学校の教員として16年目。現在は山梨県で特別支援学級の担任を務める。2021年度は育児短時間勤務、年休と特休を使った1カ月の産前休暇を経て、2022年9月から1年間の育児休暇を経験。

【秋田智康先生】妻とともに1年間の育休を取得、時短勤務で復帰

秋田智康先生
秋田智康先生

秋田先生:私が育休を考えるようになったのは、第1子が生まれ、妻が大変ながらも子育てを楽しんでいる姿を見ていたことが一番のきっかけです。当時は初めて学年主任を任され、年度途中で抜けることができなかったのですが、自分の子どもと関わる時間がほしいと考えるようになり、第2子では絶対に育休を取ろうと思っていました。育休を取得した男性教員が身近にいたことも大きな理由となりました。

 また、若い先生方や生徒に「仕事だけでなく家庭も大切にする生き方がある」と、多様な選択肢を見せたいという思いもありました。加えて、2020年のコロナ禍で、マレーシアの日本人学校に赴任する予定が国内待機になったほか、赴任後の厳しいロックダウンを経て、「家族がいたからこそ乗り越えられた」と実感できたことも大きかったです。

 実際に育休を取得したのは、マレーシア滞在中の2022年10月に第2子が生まれた翌年4月からです。上長へは生まれた日に「来年度から取得したい」と希望を伝えました。無事に認められ、2023年4月から2024年3月までの1年間、妻と2人で一緒にマレーシアにて育休を取得しました。

 育休中は子育てに専念し、離乳食づくりや寝かしつけ、子どもとの外出など何でも行い、第1子との時間も大切にして、毎日の送り迎えはもとより学校の行事などにもすべて参加しました。さらに教育系のオンラインイベントやセミナー、資格の取得などにも挑戦しました。マレーシアで育休を取ったことで、さまざまな人々や自然と触れ合うことができたのも、よい経験だったと思います。

 今年3月に帰国し、4月からは妻も同じタイミングで仕事に復帰しました。妻は7年ぶりの仕事復帰、かつ第1子が小学校入学のタイミングだったので、本当は私が2年目の育休を取りたかったんです。しかし、在籍期間の長さなどもあって許可が得られなかったため、時短での復帰を希望しました。在籍校に時短勤務を経験された方がいたので、イメージもしやすかったですね。

 私が週に2.5日、妻が3日の勤務としたことで、子どもたちとの時間も十分に取れ、家庭と仕事の両立もできています。再任用の先生とペアで仕事をシェアし、育休だけでなく「育短」という働き方を若い先生方や生徒に見せることができたこと、そして子育てを軸に子育て経験のあるママ先生方とも仲良くなれたことも大きな収穫です。育休の経験をもとに、誰もが働きやすい環境づくりについて考えるようになりました。

現在の働き方
現在の働き方

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【楠本洋平先生】夫婦で育休を取得し、人生設計について話し合う時間も増えた

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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