【楠本洋平先生】夫婦で育休を取得し、人生設計について話し合う時間も増えた
楠本先生:第1子出産時に妻が体調を崩し、育児への専念が難しくなったことがあったので、第2子では自分が育休を取るつもりでいました。2023年9月に妻の妊娠が確定し、4月に出産という予定がわかったので、まずは上長に相談しました。そして翌日には校長先生、その午後には教頭先生にスケジュールについて話し、事務職員にも報告しました。皆さん「がんばれ」と応援してくれたので、私も気楽に周囲に育休について話すことができました。その後、翌年2月に育休申請や扶養手続きをして、新年度から2週間出勤して引き継ぎ、4月の3週目から育休に入って出産に備えました。
ぜひ、育休は出産前から取ることをおすすめします。入院準備や家の片付けなど、赤ちゃんを迎え入れる準備ができるし、コロナ禍に帝王切開を受けることになっていた妻に寄り添うこともできました。出産後も、心身ともに疲弊している妻に代わって出産後も家事や育児に専念することで、結果として家族を守り、家庭が円満になったと思います。
さらに、仕事がなくなったことで小さなスキマ時間ができ、人生について考える余裕が生まれました。そして「人生=仕事」という価値観から脱却し、仕事は人生の一部として捉え、家族との時間や地域との関わりなど、ほかのことも考えられるようになったのです。それらが自分の人生を豊かなものにしてくれるだろうと、ワクワクしています。趣味の散歩やカフェ巡り、そして「育休ブログ」をはじめるきっかけにもなり、妻も同様に興味のあった美容や整体、ホットヨガに行くなど、自分たちがそれぞれやりたかったことができるようになりました。
2人そろって育休を取っているので話し合う時間もあり、今後の人生設計も2人で考えながら進めています。例えば、新しく家を建てることや復帰後の働き方、子どもの習い事などについてもしっかり時間を取って話し合っています。
ひとつ、皆さんが気にされているのが、経済面でしょう。育休中は給与が出ず、代わりに勤務しなかった期間は1日ごとに標準報酬日額が出ますが、育休開始から180日までは67%、それ以降は50%となります(2年目、3年目は無給)。手取り月収30万円の教員が1年間育休を取る場合、年額だと約210万円です。こうした手厚い補助が受けられるのはありがたく、ボーナスも今年は昨年分が満額出るので経済的に切羽詰まることは当面ありません。来年は復帰を考えているので、またしっかり稼ぐつもりですし、1年間収入が減ってもそれ以上の価値があったと感じています。