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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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子どもも教師もワクワク! デジタルツールで生まれる令和の学び

生成AIに何度も同じ指示をするのは面倒! Geminiのカスタマイズ機能「Gem」で省力化しよう

子どもも教師もワクワク! デジタルツールで生まれる令和の学び 第21回

 「デジタルでもアナログでもできることはまずはデジタルで」をモットーに、数多くのデジタルツール・教材を活用する、公立小学校教諭の前多昌顕先生。本連載ではさまざまなツールの活用実践について、連載形式でお伝えします。第21回では、Google Geminiのカスタマイズ機能「Gem」を作り、生成AIへの指示を簡単にする方法を紹介します。(編集部)

はじめに

 前回公開した記事「総合的な学習の時間に生成AI「Gemini」と「NotebookLM」を活用し、児童の思考を深める」では、Googleの生成AIを活用して、児童自身の問いを深める対話的な振り返りの実践を紹介しました。多くの先生方から「AIが壁打ち相手になることで、子どもたちの思考が整理される様子が興味深い」といった反響を頂きました。

 一方で、「毎回AIに複雑な条件を指示するのは大変ではないか」「自分のクラスの実態に合わせてもっと調整したい」といった意見も耳にします。そこで今回は、自分専用のGemを作成する手順を丁寧に解説します。この記事を読みながら手を動かせば、自分だけの頼れる「相棒」が完成します。

※Gemとは、特定の目的(例:「振り返り専用」「疑問出しサポート」)に合わせて、先生がAIの指示(プロンプト)を事前設定できる、Google Geminiのカスタマイズ機能です。

既存のGemを自分用に改造(リミックス)する

Gemを使ってみる

 まずは、実際に作成されたGemを動かしてみましょう。以下のリンクをクリックしてGemを開き、子どもになったつもりで「振り返り」を入力してみてください。

 リンクを開くと、Gem「総合ふりかえりくん」が開きます。ここで、児童になりきって振り返りを入力してみましょう。すると、Gemが思考を深めるためのアドバイスや問いかけを返してくれます。

自分のGemとしてコピーを作成する

 このGemをベースにして、自分の学校の実態に合わせた「自作Gem」に改造していきましょう。 まず、Geminiの画面の左サイドバーにある「Gemを表示」をクリックします。「共有アイテム」の欄に今開いたGemがあるので、名前の横にある「︙(縦3点リーダー)」をクリックし、「コピーを作成」をクリックします。編集画面が開いたら、まずは「名前」を自分のわかりやすいものに変更しましょう。

Gemをコピーする手順
Gemをコピーする手順

AIで中身を書き換える

 Gemの挙動を決めるカスタム指示を編集します。自分で直接書き換えてもよいのですが、複雑な指示文の全体像を把握せずに手作業で修正すると、エラーが起きたり意図しない動きになったりすることがあります。そこで、カスタム指示の変更もAIに任せてしまいましょう。

 まずGemの編集画面にあるカスタム指示のテキストをすべて選択し、コピーします。新しいタブでGeminiを開き、「思考モード」にします。チャット欄にテキストを貼り付け、その下に続けて「このGemのカスタム指示はどのような動きをしますか?わかりやすく教えてください」と入力・送信し、生成されるのを待ちます。

Gemの動きの説明をAIで生成
Gemの動きの説明をAIで生成

具体的な変更をAIに依頼する

 生成結果を読んである程度内容が理解できたら、変えたい部分をAIに伝えます。今回は例として、振り返りの評価観点を8つから4つに減らしてみます。

 チャット欄に「観点を8つから4つに減らしたいです。5番から8番の観点は削除して、残りの4つの中だけで判定するように指示文を書き換えてください」といったプロンプトを追加して送信します。しばらく待つと、AIが修正版のカスタム指示を生成してくれます。

修正した指示を適用する

 生成されたコードをコピーしたら、先ほどのGem編集画面に戻り、「カスタム指示」の欄をすべて削除してコピーしたコードを貼り付けます。プレビュー画面で振り返りを入力して、観点が4つに変わっているか試してみましょう。問題なければ「更新」をクリックして作業完了です。

カスタム指示を書き換える手順
カスタム指示を書き換える手順

 このように、「コピーしてAIに解説させ、AIに修正させる」という手順を踏めば、プロンプトの専門知識がなくても、安全かつ簡単に自分好みのツールを作ることができます。

次のページ
Gemを新規で作成する

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この記事の著者

前多 昌顕(マエタ マサアキ)

 五所川原市立五所川原小学校教諭、青森県プログラミング教育研究会発起人で事務局長。初任の頃よりICTの教育活用に興味を持ち研究を進める。いったんICT教育と距離を取り、研究対象を思考ツールにしたが、プログラミング教育必修化をきっかけに再開する。Google認定トレーナー、Gensparkインダストリ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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