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少子化が進み18歳人口が減少する中、大学は学生獲得のために学部やカリキュラム、入試方式に工夫を凝らしています。またコロナ禍によって教職員のリモートワークが普及したことに伴い、業務のDXがよりいっそう求められるようになりました。本特集では大学関係者の方々に向けて、少子化・DX時代の大学のあり方を考えるヒントとなる記事をご紹介します。
職員自身が自分の業務を効率化するため、さまざまなシステムを開発している香川大学。学生も参加する組織「DXラボ」だけでなく、職員による業務システムの内製開発を推進するため、同学では2022年から「デジタルONEアンバサダー」を任命する活動を始めた。その結果、非情報部門の職員が自らノーコード・ローコードツールを使った開発に取り組むようになり、2年間で179件もの業務システムが開発されたという。非情報部門の職員がシステム開発に取り組めるようになったのはなぜか。そもそも、大学職員自身がシステムを内製化するメリットとは何か。同学で活動をけん引する情報メディアセンターの八重樫理人教授と、情報部情報企画課の末廣紀史氏、そして実際に業務システムを開発した職員の皆さんにお話を伺った。
2021年、学内組織「DXラボ」を立ち上げた香川大学。教職員だけでなく学生も主体的に参加し、学内のDX推進に向けてさまざまな業務システムを開発している。企業さながらの開発組織はどのようにして生まれたのか。また、学生を交えることでどのような効果があったのか。取り組みの詳細を、同プロジェクトをけん引する香川大学 情報化推進統合拠点 DX推進研究センターの八重樫理人(やえがし りひと)センター長に伺った。また、学生の皆さんに自身が開発したシステムを紹介していただいた。
大学におけるDXはコロナ禍で一気に加速し、オンライン授業は当たり前になり、働き方改革に向けて教務などでのDXも徐々に進められている。そんな中、東京女子大学のキャリア・センターでは、学生とのコミュニケーションにチャットボットを活用。2020年に新型コロナウイルス感染症の流行を受けて発案からわずか1週間ほどで導入し、現在も運用中だ。同大学のキャリア・センターで運営全般を担う村石隆造氏は「学生が大学に来られなくなっても、就活支援を止めることは許されなかった」と導入の背景を語る。この活用を支えるのは、チャットボットのシステムを提供する株式会社キャリアボットの代表で、同学のキャリアカウンセラーでもある岡崎浩二氏。両氏がけん引してきたチャットボット活用の裏側を伺い、大学のキャリアセンターにおけるDXのヒントを探った。
コロナ禍以前よりワークスタイル変革や業務のデジタル化に力を入れていた東北大学は、2020年度に国立大学法人で初となる、学内公募による「業務のDX推進プロジェクト・チーム」を結成し、大きな成果を出している。パンデミックをきっかけにDXを迫られ、現在も課題を抱えながら模索する大学が多い中で、時代の最先端を行くDX推進プロジェクトはどのように実現したのか。プロジェクトの統括を担う藤本一之氏を中心に、プロジェクトチームのメンバーに話を伺った。
大学でのDXが浸透しつつある中、授業だけでなく職員の業務についてもデジタル化が進み、より効率的な業務が実現している。青山学院大学では、出願から入学手続きまでの「入試業務」において、受験ポータルサイト「UCARO(ウカロ)」を導入。よりスムーズで確実な入試対応を提供できるようになった。本稿では導入の目的や経緯、そして導入後の効果や今後の可能性について、同大学で入試業務に携わる鈴木博貴氏と清水理栄氏、UCAROを提供するODKソリューションズの太宰裕介氏にお話を伺った。
コロナ禍を機に、大学をはじめとした教育機関でもリモートワークが普及した。それに伴い、決裁においても書面と印鑑を組み合わせた紙ベースから電子決裁へと移行が進んでいる。しかし、決裁の電子化を含めた大学DXの成功には、単にシステムを導入するだけではなく、組織内での仕組みづくりも重要だ。広島大学では2021年の電子決裁システムの導入をきっかけに、それまでの業務フローを見直すことを決断。本稿では、同大学の財務・総務室総務・広報部総務グループに所属する谷氏、北村氏と、大学内の文書管理を担う文書館の北浦氏に、導入による成果を伺った。
デジタル化が進む中で企業の業務も変化し、データ活用スキルは社会人に必須のものとなりつつある。そんな中、大学においてもデータサイエンスや情報などを専攻する学部・学科の新設や、文系で取り入れる学部・学科も増えてきた。政府の「AI戦略2022」でも、数理・データサイエンス、AIなどを理解し活用できる人材の育成が喫緊の課題として挙げられている。そうした「学生を対象とする数理・データサイエンス・AI教育」について、公益財団法人日本数学検定協会と株式会社データミックス(2024年4月19日付で株式会社ピープルドットに商号変更)は、3月21日に「『データ活用スキル』を社会人になる前までに学ぶ重要性」と題してオンラインセミナーを開催。そこで語られた現状や提言などを紹介する。
IT人材の育成が課題となる中、文系・理系を問わずデータサイエンス教育を授業に取り入れる大学が増えつつある。一方で、多くの大学が専門知識を持つ教える人材や、実社会と結びついたデータなど「教育リソースの不足」を問題として抱えている。その解決策のひとつとして注目されているのが、民間のIT企業と連携した実践的な教育だ。横浜国立大学は、データテクノロジーカンパニーを掲げるprimeNumberと「生きたデータ」を授業で活用する共同研究を実施。その目的や意義、今後の可能性などについて、横浜国立大学の田名部元成氏とprimeNumberの岩田匠氏に伺った。
IT人材の育成が課題となる中、文系・理系を問わずデータサイエンス教育を必修の授業として取り入れる大学が増えつつある。その中でも最先端の取り組みのひとつとして注目されているのが、慶應義塾大学大学院 政策メディア研究科 特任教授 田代光輝氏による授業だ。田代氏の授業では、ヤフーが提供する行動ビッグデータ分析ツール「DS.INSIGHT」を活用し、学生は実際の「生きたデータ」を用いて分析に取り組んでいる。その目的や意義、さらに理数系科目に苦手意識のある学生が、データ分析へ主体的に取り組むためのポイントなどについて伺った。
6月6日~8日に「New Education Expo 2024」東京が開催された。大学事例を紹介するセミナーも複数開催され、会場には全国の大学関係者が集い、熱心に耳を傾ける姿が見られた。そのひとつ「教職員による大学改革をいかに進めるか~経営層から中堅・若手まで、すべての関係者に役立つ思考と実践~」と題したセミナーでは、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 監事/前・芝浦工業大学 学長の村上雅人氏と、國學院大學 事務局長の仙北谷(せんぼくや)穂高氏が登壇した。理系の芝浦工業大学と、文系の國學院大學、それぞれの私立大学で実践した大学改革の実例を踏まえ、そのための思考やノウハウが紹介された。
「私立大学の53.3%が定員割れ」という現状で、各大学にとっては「いかに入学者を獲得するか」が大きな課題となっている。学部・学科の新設や設備の充実、グローバル化、独自の奨学金制度など、さまざまな対策を各大学が打ち立てるなか、東洋大学では「受験校に選ばれるだけでなく、入学校に選ばれる大学に」を掲げ、大学入試の現状を踏まえた取り組みを続けることで成果を上げている。6月に開催された「New Education Expo 2024」東京会場のセミナーでは、同大学の理事・入試部長を務める加藤建二氏が登壇し、学生を集めるための入試改革や教員のプロモーションなどを詳しく紹介した。
進路選択の第一ステップである「大学を知るきっかけ」に大きな変化が生じている。スタディプラスが運営するStudyplusトレンド研究所の「受験生進路モデル調査」では、保護者や先輩などの「人づて」に次いで「YouTube」を挙げる受験生が2割を超えたという。デジタルチャネルでの動画コンテンツが進路決定に大きな影響を与える時代に、大学側は広報施策としてどのように対応すればいいのか。スタディプラスでクリエイティブを起点に大学と高校生の間のコミュニケーションを支援する、山田英行氏、福村夏菜氏、小野口里実氏に効果的な施策や手法などについて事例を踏まえつつご紹介いただいた。
30年前と比べ18歳の人口は約95万人減少し、大学の学生獲得は難化している。そのような状況の中、さまざまな講座・プログラムを通して、真のリーダーの育成を目指すビジネス・ブレークスルーが「学校の未来戦略!」というテーマでオンラインセミナーをシリーズで開催。6月8日に行われたセミナーでは、近畿大学の経営戦略本部長である世耕石弘(せこう いしひろ)氏がゲストとして登壇。一般入試志願者数が10年連続日本1位である近畿大学の、ブランディングと経営戦略について解説した。
少子化が進む中、各大学では自大学の魅力を伝え、より意欲の高い学生に入学してもらうために、さまざまな工夫を凝らしている。若者にとって魅力的な学部・カリキュラムの新設に加え、入学試験についても一般選抜とは異なる新しい手法を採用するケースが増えてきた。近年、探究的な学びに力を入れている桜美林大学もそのひとつだ。同大学の教育探究科学群では、メディアプラットフォーム「note」と連携し、総合型選抜に活用する入試プログラムを実施している。そのねらいやプログラム当日の模様、今後期待する点について、桜美林大学の高大連携コーディネーターとして入試の運営などを担う今村亮氏と、note株式会社のディレクターである青柳望美氏に伺った。
少子化の影響により学生獲得競争が激化し、大学経営は年々難しくなっている。そのような状況の中、さまざまな講座・プログラムを通して、真のリーダーの育成を目指すビジネス・ブレークスルーが「学校の未来戦略!」というテーマでオンラインセミナーをシリーズで開催。5月12日に行われたセミナーでは、大阪府立大学と大阪市立大学を統合し、2022年4月に新たに設立された大阪公立大学の学長である辰巳砂昌弘(たつみさご まさひろ)氏がゲストとして登壇。もともと規模の大きかった両大学を統合した理由や、これから目指す世界について解説した。
18歳人口が減少する中、大学などの高等教育機関には「学生に選ばれる」魅力的な学校づくりが求められている。そのような状況下において、全学的に教養科目の中で情報教育を実施する学校が増えているほか、新たに「情報系学部」を新設する学校も登場している。そこで本記事では、教育機関を含めたさまざまな領域で経営コンサルティング事業を展開する、株式会社船井総合研究所(以下、船井総研)の有識者に話を伺い、情報教育が注目される背景とともに、大学で新たに情報教育を展開するメリットと実施に向けたポイントなどを紹介する。
大学や専門学校にとって「市場規模」とも言える18歳人口は、少子化により今後も減少していくと予想されている。学校の生き残りをかけて、高校生に選ばれる学校になるにはどうすればよいのか。そんな課題のもと、Doorkelは9月28日に「募集広報の新たなる指標 新プロセス解説セミナー」と題したセミナーを開催した。本稿では、株式会社Doorkel 経営企画室 室長であり戸板女子短期大学 講師の吉田涼平氏による、募集広報担当者向けのセミナーの模様を紹介する。
「女性の自立と自活」を建学の精神に掲げ設立130余年の学校法人共立女子学園。VUCA時代の到来に際して、生き生きと活躍できる人材育成を意識した「リーダーシップ教育」を推進し、教養教育のカリキュラム改編や、リーダーシップ教育を軸にするビジネス学部の設置などに取り組んできた。そうした学内の意思決定や企画・計画・改善を支援するIR(Institutional Research)活動において、重視されているのがDXだ。施策の軸となるBIプラットフォーム導入の経緯や成果などについて、学校法人共立女子学園 大学企画課 教学企画グループの大樂尚紀氏に話を聞いた。
卒業生が出身大学を支援する場合、寄付金という形が一般的だ。その中で「滋賀大学コミュニティ・プレイス」は卒業生による支援の形として新しい。卒業生が代表取締役社長を務める人材系企業、クライス&カンパニーが場所を提供し運営することで、金銭的支援にとどまらないコミュニティ面での支援を実現。このコミュニティを拠点に、卒業生を含めた産学連携の取り組みが活発になることが期待される。コミュニティ・プレイス誕生の背景や今後の展望について、滋賀大学の学長を務める竹村彰通氏と、株式会社クライス&カンパニー 代表取締役社長の丸山貴宏氏に話を伺った。
学生の「読書離れ」が叫ばれて久しい。そうした中、京都産業大学では、2017年から学部の学びにつながる読書を推進する取り組み「むすびわざブックマラソン」を学生に向けて実施。現在は日本事務器の文献レビューアプリ「BOOK MARRY(ブックマリー)」を活用して、学生が本を読み、得た学びをレビューとして学内で共有している。インターネット上に情報があふれる時代、大学生が読書に向き合うべき理由は何だろうか。同施策の責任者である、京都産業大学 文化学部国際文化学科の大平睦美教授にお話を伺った。
立命館大学は4月1日、大阪いばらきキャンパスに新棟を開設し、大学と社会をつなぐ共創プラットフォーム「TRY FIELD」として運営を開始した。TRY FIELDは、デジタルとクリエイティブが融合する新たな学びを展開し、誰もが挑戦できる場であり、学生だけでなく、民間企業や地域、小中高校などの学校にも開かれているのが特徴だ。VRなど最新技術の研究室や、日本マイクロソフトによるDX人材の育成拠点、コラボレーションを促進するラウンジといった施設がそろっている。TRY FIELDを通して、これからどのような取り組みが生まれていくのか。コンセプトやねらいについて、学校法人立命館 社会共創推進本部 本部長の三宅雅人氏に話をうかがった。
立命館大学は4月1日、大阪いばらきキャンパス(OIC)に新棟(H棟)を開設する。新棟ではデジタルとクリエイティブが融合する新たな学びを展開し、誰もが挑戦できる場「TRY FIELD」を実践していくという。開設に先駆けて、3月25日には報道関係者向けの内覧会が行われた。本稿ではその模様をレポートする。
生成AIの登場によりAI技術がますます注目される昨今、教育・研究の現場でのAIツール活用も発展を見せている。特に、研究・業務に忙しい研究者は、AIツールを活用することで論文執筆や研究プロセスを効率化できる。研究者をサポートするAIツールにはどのような可能性があるのか。また、課題がつきもののAIツールを研究の現場に取り入れる際、何に気をつけるべきなのか。本稿では、英語論文のAI校正・翻訳ツールである「Paperpal」を活用する、東京大学 定量生命科学研究所 助教の藤原靖浩氏にお話を伺った。また、Paperpalを提供するカクタス・コミュニケーションズ日本法人代表取締役の湯浅誠氏に、AI校正ツールで目指す未来について聞いた。
関西大学は3月15日、デジタル技術を活用した次世代高等教育のあり方を探る「Kansai University KU-DX 2022 シンポジウム」を、独自のDX学習環境である「Global Smart Classroom(GSC)」を活用したハイブリッド方式で開催した。同大は、2021年度の文部科学省の補助事業「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」に2事業を採択されており、コロナ禍以前から進めていた、デジタル技術とICTによる教育改革をさらに加速させている。シンポジウムでは、同大による教育DXの取り組みが紹介され、次世代の高等教育に向けて行うべきアクションが提示された。
芝浦工業大学と追手門学院大学は、3月8日に「大学におけるDX推進シンポジウム」をオンラインで開催した。両大学は2021年度、それぞれ国の補助事業である「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」に採択されており、コロナ禍以前から進めていたデジタル技術による教育改革をさらに加速させている。シンポジウムでは、両大学の副学長らによるDXの進捗報告と、ICTを活用した最先端の事例が紹介された。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、オンライン授業など「ICTを活用した学び」が急速に普及している。同時に、旧来の授業のあり方も改めて問われるようになった。リモート・対面を問わず、より良い形の授業を実現するためには、ICTをどのように活用すればいいのか。さまざまな試みが行われる中で、産学連携で授業システム「Lectures(レクチャーズ)」を開発した大阪電気通信大学とスキャネット株式会社。開発の経緯と活用状況を、同大学の副学長である新川拓也氏を中心とした関係者に伺った。