AIチャットボットは学生と職員、双方にメリットがある
──まず、学生向け窓口として、AIチャットボットを導入することになった経緯を教えてください。
道正伸久氏(以下、道正):2024年度から検証を開始し、本格導入したのは今年度からです。もともと、学生からの問い合わせは、大学の対面窓口やWebの質問フォームで受け付けていました。しかし中には同じような質問も多く、それらの対応に多くの時間を使ってしまっていました。職員間にも、効率化したいという課題意識が以前からあったのです。
そして、従来の問い合わせの仕組みは、学生にとっても効率的ではありませんでした。対面窓口では優先的に回答をもらえますが、物理的に大学まで足を運ばなければなりません。一方、質問フォームからの問い合わせは、回答が返ってくるまで1~2日かかることもしばしばでした。そこで、学生にとっても便利な質問受付のチャンネルがあればと考えていました。
──「職員の業務効率化」と「学生サービスの向上」の2つの目的で、AIチャットボットの導入を決定したということですね。
道正:はい。本学にはこうした新しい取り組みをする際に、教員と職員がプロジェクトチームを作り、それを大学がサポートする制度があります。今回のAIチャットボットの導入プロジェクトもその形で進められました。
鈴木広司氏(以下、鈴木):最初にAIチャットボットを活用する案が挙がったのは2023年度で、そこから本格導入までは1年半ほどかかりました。
「AIチャットボット」と一口に言っても、世の中にはたくさんの製品が存在します。まずはIT部門の担当者である私が主導し、3つの製品を選定しました。そして企業の方々に教職員向けの説明会やデモンストレーションを行っていただき、チーム内で意見をまとめて1つの製品に絞り込みました。実際に導入した製品は、大学業界での導入事例が多く知名度も高い、PKSHA WorkplaceのAIチャットボットです。
道正:大学への導入実績の多さや、説明会での操作のわかりやすさなどが最終的な決め手となりました。その後、2024年度より検証を重ねて現在のAIチャットボットを構築したという流れです。