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GIGAスクール構想時代における学級担任のススメ

学校にも入ってきた「生成AI」──まず何から始めればいい? 校務での活用時に注意すべきポイントも解説

GIGAスクール構想時代における学級担任のススメ 第14回

 GIGAスクール構想で導入された1人1台端末は、学校の授業や校務のあり方を変える大きな可能性を持っており、子どもたちのポテンシャルを引き出すツールにもなり得ます。本連載では小学校の学級担任である筆者が「日常的にICTを活用した学級経営のあり方」について、担任としての心得や実際の活用事例を紹介しています。前回は「Googleスプレッドシート」を用いた振り返りのポイントを紹介しました。今回は、学校でも導入が進む「生成AI」を校務で活用する際に気を付けるべきポイントを解説します。

「生成AI」はそもそもどのような仕組みなのか

 文部科学省から「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」が出たのをきっかけに、生成AIの活用についてリーディングDXスクールの資料を読み始めた私。校務DXの項目には、生成AIの活用例が少しずつ紹介されていて、「学校の中でも、もう生成AIが働き始めているんだ」と感じた。

 ただ、同じように取り入れようと思っても、環境も人も違う。どうすれば、自分の学校でも自然に、そして安全に使い始められるんだろうか。そもそも、生成AIって何なんだろう。

一郎先生、最近「AI」とか「生成AI」って言葉をよく聞くんですけど……AIって結局何なんですか?
一郎
いい質問だね。AIは、人間が持つ知的な能力をコンピューターに持たせるための技術や研究分野と定義されるけど、日常的には「AI=コンピューターが自分で考えて判断しているように見える仕組み」と考えるとわかりやすいかな。例えば人間がやってきた「将棋の手を読む」や、「話しかけられた言葉に答える」といったことを、あたかも頭を働かせているかのようにやってくれるコンピューターのことをAIと呼ぶんだ
なるほど、コンピューターが命令通りに動く「ただのプログラム」とは違って、「自分で考えているように見える」ところがポイントなんですね。じゃあ、「生成AI」はその中の一種ってことですか?
一郎
そう。「生成AI」は、AIの中でも特に文章や画像、音声などを新しく作り出すことができるものを指すんだよ。最近話題になっている「ChatGPT」や画像生成のツールはその代表例だね
じゃあ、「生成AI」は賢くものを作れるAIなんですね。でも……どうしてそんなことができるんでしょう?
一郎
魔法のように見えるかもしれないけど、実はシンプルな仕組みなんだ。ポイントは「次に来そうなデータやパターンを統計的に計算し、それに基づいて新しいコンテンツを生成する」こと
パターンを計算?
一郎
例えば「昔々、浦島は助けた……」と聞いたら、自然と「亀」かなぁって考えるよね。「桃から生まれた……」なら?
それはもう、「桃の天然水」ですね。ヒューヒュー
一郎
それ、ちょっと若手のボケとは思えないくらい平成初期の話してるよ
失礼しました。桃太郎ですね
一郎
一般的にはそうだよね。このように、僕たちは日常的に「次に来る言葉」を予想しながら会話をしているんだよ
確かに。無意識に頭の中でやってますね
一郎
生成AIは、それを膨大な量の文章から学んで数値化している。自然言語処理に特化した生成AIのひとつである大規模言語モデル(LLM)では、言葉同士の「近さ」や「つながり」を統計的に記録して、「この後にはこの言葉が来る確率が高い」と計算しているんだ。だから、文章を計算しながら「つなぎ合わせていく」ことで、答えや物語を作れるんだよ
なるほど! スマホの予測変換をものすごく賢くした感じですね
一郎
そんなイメージだね。ただ、違うのは「学んでいる量」と「表現の深さ」。単に単語を並べるんじゃなく、文脈の流れや文章全体のスタイルまで含めて計算している。だから、要約や言い換え、説明の難易度調整なんかも得意になるんだ
でも、「次に来そう」を選んでいるだけなら、間違った答えも出ちゃうんじゃないですか?
一郎
その通り。さっき君もボケて間違えたけれど、あれは意図的じゃない? でも、生成AIの場合は計算の結果は正しいけれど、人間から見ると「これは違うよね」という間違えが起きる。これを「ハルシネーション(虚構)」と呼ぶんだよ。だからこそ、教育で使うときは「人間が最後に確かめる」ことを前提にしなきゃいけない。ここに「人間中心」という原則があるんだ
人間中心、ですか
一郎
そう。つまりAIが出したものをそのまま鵜呑みにするんじゃなくて、参考にしてどう判断するかは人間が握っているということ。教員も子どもも、そこを意識してAIと付き合うことが大事なんだよ

次のページ
なぜ学校で生成AIの活用が必要とされるのか

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この記事の著者

鈴谷 大輔(スズヤ ダイスケ)

 公立小学校教諭。プログラミング教育の教員コミュニティ「Type_T」代表。みんなのコード プログラミング教育 養成塾(2019夏期集中コース)修了。プログラミング教育関連のイベント運営に複数携わる。放送大学「Scratchプログラミング指導法」ゲスト出演。Maker Faire Tokyo 201...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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