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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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GIGAスクール構想時代における学級担任のススメ

学校にも入ってきた「生成AI」──まず何から始めればいい? 校務での活用時に注意すべきポイントも解説

GIGAスクール構想時代における学級担任のススメ 第14回

校務における活用で意識したい「ガイドラインの柱」

AIを校務で使うとき、やっぱり気をつけることってありますよね?
一郎
もちろん。文部科学省の「生成AIの教育利用に関するガイドライン」では、活用の基本となる考え方として、いくつかの柱が示されている。校務でまず意識したいのは、次の3つだね

(1)人間中心:最終判断・責任は人間にある

一郎
AIがどんなに便利でも、最終的な判断や責任は人間にあるというのが大前提。AIの提案は「候補」であって「決定」じゃない。AIが書いた文案を使うときも、「自分の言葉として出していいか」を必ず確かめることが大切だよ
つまり、「AIが言ったから」ではなく「自分が確認してよしとしたから提出できる」という姿勢が必要なんですね
一郎
そう。ここをあいまいにしてしまうと、便利さがかえってトラブルの種になるし、後からしっかり読み返すと「あれ?おかしいな」って思うときが必ず来る。出力は必ず咀嚼しようね

(2)情報漏洩への留意:環境と規約・ガイドラインを確認する

一郎
次に気をつけたいのは、個人情報と校務データの扱い。生成AIに入力する内容の中に、児童生徒の名前や成績、会議資料などの内部情報をそのまま入力してはいけない。AIによっては、入力された内容が学習や品質向上の目的で再利用される可能性があるからね
なるほど、ChatGPTなどの一般向けに提供されているサービスを使う場合は特に注意が必要ですね
一郎
そう。基本的には、自治体や教育委員会が定めたガイドラインを遵守し、使用が許可された「セキュアな環境」を利用するのが望ましい。入力された内容を学習しないように設定されているはずだよ。それでも、どうしても一般のAIを使う必要がある場合は、次の3点を必ず意識してほしい
  1. 児童・生徒・教職員の氏名、成績、住所、連絡先、学校固有の内部情報などは入力禁止。
  2. 利用規約を確認し、「入力データがAIの学習に利用されるかどうか」を事前に把握すること。無料版や個人利用アカウントでは、入力内容がモデルの改善に使われるケースもある。
  3. 機密性の高い内容を扱う場合は、必ず管理職や情報担当に相談すること。
一郎
つまり、「何を入力してはいけないか」と同時に、「どんな環境で使うか」を意識することが重要なんだ。自治体のガイドラインをまず確認し、使うサービスの利用規約で「入力データが学習に使われるか」を必ずチェックしよう

(3)説明可能性:出力をそのまま使わず、吟味して修正する

一郎
3つ目は説明可能性について。AIの出力をそのままコピペして使うのではなく、「なぜその表現にしたのか」「どういう意図があるのか」を自分の言葉で説明できるようにしておくことが求められているんだ
確かに、AIが出した内容を説明できないと、責任の所在もあいまいになりますね
一郎
そう。AIの提案を「素材」として吟味・修正し、自分の考えとして仕上げる。それが「AIと共に働く」という姿勢なんだ。最初の人間中心につながる考え方でもあるね

次のページ
「まずは校務で使ってみる」理由とは

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この記事の著者

鈴谷 大輔(スズヤ ダイスケ)

 公立小学校教諭。プログラミング教育の教員コミュニティ「Type_T」代表。みんなのコード プログラミング教育 養成塾(2019夏期集中コース)修了。プログラミング教育関連のイベント運営に複数携わる。放送大学「Scratchプログラミング指導法」ゲスト出演。Maker Faire Tokyo 201...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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