近畿大学中央図書館は、アバター技術を活用した受付窓口でのレファレンスサービスを、10月14日に開始した。レファレンスサービスとは、図書館員が利用者の調べものや情報探索を支援するサービスで、資料やデータベースの探し方の案内や紹介などを行うもの。アバターを用いることで、利用者の利便性を向上させるとともに、図書館業務の効率化や図書館員の働き方改革を図る。

同学中央図書館では、2022年3月のリニューアル以降、学生一人ひとりの多様な学習スタイルやニーズに対応するため、利用環境やサービスの充実に取り組んできた。約140万冊の図書と約8.4万誌の電子ジャーナルのほか、電子ブックや各種データベースを提供する学術情報の拠点として、ガイダンスや講習会を通じた主体的な学習支援にも力を入れている。
今回、大学図書館におけるサービスのDX推進の一環として、アバター・AIを用いたサービス開発を手掛けるAVITAと連携し、さらなる学生サービスの向上や対応の効率化などを目的にアバター技術を活用した新たなレファレンスサービスを導入した。
図書館受付に設置したディスプレイに表示されるアバターを図書館員が遠隔操作し、利用者からの質問に応対する。対面では相談しづらいと感じる利用者でも、アバターとの対話なら心理的なハードルが低く、図書館の利用促進が期待される。多言語対応やテロップ表示による視覚的な支援も可能であるため、外国人学生や体の不自由な人へのアクセシビリティ向上にも寄与するほか、図書館員の在宅勤務の拡充など働き方改革も図る。
将来的には、AI技術を活用した24時間対応や、職員による遠隔操作なしでアバター自身が資料検索のナビゲーションをすることなども視野に入れており、より便利な図書館サービスの提供を目指すという。
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