チエルは、Chromebookの運用管理、協働学習、安全な活用、学習指導を支援する「InterCLASSシリーズ」の各ソリューションをバージョンアップしたことを、10月7日に発表した。

InterCLASSシリーズは、Google for Educationの技術パートナー認定を受けた同社が開発した、GIGAスクール構想第2期で普及した「Chromebook」の活用を支援するソリューションである。
Webフィルタリングによる安心安全なインターネット環境の提供や、児童生徒のアイデアや考えをクラス全体でリアルタイムに共有・発表する協働学習の推進、Google for Education の管理業務を学校現場に合わせて効率化できるアプリなど、教員や管理者の負担を軽減しながら、個別最適な学び・協働的な学びの実現を支援する。今回のバージョンアップではこれらの内容に加えて、「教育DX」への取り組みを支援する機能を新たに搭載した。
今回のバージョンアップでは、教育現場におけるICT環境の整備、教員の働き方改革、児童生徒の個別最適な学びや多様性への対応力の向上をより一層支援することを目的としている。また、学校に蓄積されている日々の学習記録などのデータについても、本人の意思に基づき、プライバシー保護に十分配慮したうえで、転校や進学など組織を超えた場面でも安心・安全に活用できる仕組みづくりを進めていく。
ソリューション別のバージョンアップ概要は次のとおり。
InterCLASS Filtering Service
「InterCLASS Filtering Service」は、LTE通信や家庭学習、校外学習といったChromebookの持ち出し利用時でも、Webフィルタリング技術を用いて有害サイトをブロックし、安心安全なインターネット環境を提供する。今回のバージョンアップでは、主に次の3つの機能改善を行った。
柔軟なグルーピングで可視化
教員や児童生徒ごとにラベルをひも付け、ラベルごとにグループで管理できるようになった。例えば、不登校傾向にある児童生徒に特定のラベルをひも付けておくと、ダッシュボード上で、その児童生徒の利用状況だけに絞り込み、利用時間帯や曜日の傾向を可視化できる。これまで利用している「グループ」単位でラベルの設定も可能なため、「理系クラス」などのカテゴリー別管理や表示にも対応する。
1日の累積利用時間による利用制限
1日に端末を利用できる時間を制限できるようになった。日曜日や夏休みなど休日は1日最大5時間までなど、過度な端末利用をしないように制限をかけることができる。
端末管理の柔軟性を向上
従来の時間帯別ルールに加え、累積利用時間による制限設定ができるようになった。学習計画や生活習慣に合わせた細やかな管理を実現する。また、例外URLの設定では「完全一致」での指定が可能となり、学習者がどこで学んでいても計画的かつ安全な端末利用環境を整えられる。
これらの改善により、教員の働き方改革、児童生徒一人ひとりに最適化された学び、多様性への対応、そしてICT活用の促進を、これまで以上に後押しする。

InterCLASS Console Support
また、InterCLASS Console SupportはGoogle管理コンソールの機能を拡張し、管理者権限なしでユーザー・グループの年次処理(CSV対応)やGoogle Classroomの一括管理を実現する。低学年の児童でもすぐに授業を始められるよう、QRコードによるChromebookへの簡単ログイン機能も搭載し、授業時間の確保を支援する。今回のバージョンアップでは、主に次の3つの機能改善を行った。
フィルタリングサービスとの連携強化
同社のWebフィルタリングサービスInterCLASS Filtering Serviceとの情報連携が可能になった。これにより、「教員/学習者」「学年」「クラス」「入学年度」といった情報を連携させ、フィルタリングのダッシュボードを学年・クラス単位でより詳細に分析できる。なお、「学年」「クラス」などに対応したダッシュボードは、12月にリリース予定。
Google Workspaceとの連携向上
Google Workspaceの動的グループで利用される「役職」や「組織」などの標準属性がメンテナンス可能になった。これにより、アカウントの年次処理がこれまで以上に円滑に行える。
ドメイン環境への対応強化
同社製品との連携を強化するとともに、都道府県単位での同一ドメイン環境にも対応できるよう改善を実施した。これらの改善により、教育現場での運用効率化と分析精度の向上を同時に実現している。
InterCLASS Advance/InterCLASS Advance Light
協働学習の実現に焦点を当てたInterCLASS Advance/Advance Lightは、教員画面の一斉配信、学習者の画面モニタリング、操作ロック、画面共有といった、授業に必要な機能をシンプルに提供する。GIGAスクール構想第2期の標準仕様書に準拠し、Googleガイドラインに沿った直感的でシンプルな操作性により、簡単に協働学習を進められる。Google Classroomと1クリック同期が可能で、運用管理が容易に行える。今回のバージョンアップでは、主に次の4つの機能改善を行った。
柔軟な運用を実現する新機能
学習者の名前を画面上で任意の名称に変更できるようになり、個別対応やプライバシー保護の観点から、より柔軟な運用が可能になった。
通信負荷を軽減しスムーズな授業を実現
プッシュ通知の導入により通信負荷が軽減され、授業への参加がよりスムーズになった。
授業開始時の対応力を強化
クラス開始後に特定の学習者がオフラインで参加していない場合でも、授業開始の再通知を送信できるようになり、参加漏れの防止をサポートする。
「座席レイアウト」機能の利便性向上
座席表をワンクリックでシャッフルできるようになり、授業運営にさらなる柔軟性を提供する。
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