ベネッセコーポレーションは、同社の提供する中高一貫校・併設校を含む高等学校向け次世代型校務支援サービス「ベネッセ校務クラウド」が、佐賀県教育委員会の校務DX計画における次世代型校務支援システムとして正式に選定されたことを、10月9日に発表した。

佐賀県教育委員会は、高等学校など県立学校における積極的なデジタル活用を推進している。これまで、学習面では生徒・教員ともに「Microsoft 365」のアカウントを配布して活用しているほか、校務でも校務支援システムの導入によって会議のペーパーレス化なども推進している。
一方で、教職員には生徒情報の手入力などが負担となっており、校務系と学習系で複数の端末を扱うわずらわしさが生じるなど、現在の環境に対する課題感も抱えていた。
そこで佐賀県教育委員会は、さらなる校務DXの環境整備を進める「校務DX計画」において、クラウド環境下で校務系と学習系が統合した次世代型校務支援システムの導入を検討。今回の「ベネッセ校務クラウド」の導入に至っている。
佐賀県教育委員会の校務DX計画では、2027年4月に「ベネッセ校務クラウド」の提供が開始される。佐賀県内の県立学校(中高一貫校含む全日制高等学校、通信制高校、特別支援学校ほか計46校)にて、クラウド環境を活用した業務効率化や、データ連携などを支援する。同サービスの導入を通じて、県立の各校における校務の業務効率向上および負担の軽減、さらには学校が保有・管理するさまざまな校務データを可視化して、分析・活用するための安心・安全な環境づくりに貢献するという。
なお、「ベネッセ校務クラウド」は、テクマトリックスの校務支援システム「ツムギノ」にカスタマイズを加える形で構築され、4月に提供を開始した校務支援システム。各学校・教育委員会への販売や導入、活用支援は、ベネッセコーポレーションが行っている。
同システムでは、フルクラウド型の利点を生かして学校内外のシステム(学校等欠席者・感染症情報システムなど)との連携に対応し、ダッシュボードで一元化することで、学校全体でさまざまなデータを組み合わせた分析を可能にする。たとえば、ベネッセコーポレーションが高等学校(中高一貫校含む)向けに提供している、「進研模試」などの模擬試験データを連携させ、校内の定期テストなどとあわせて校務支援システム内でクロス分析や面談資料化を行うことによって、進路面談などの際に生徒をより多面的に把握して指導できるようになる。
生徒や保護者を含むすべてのユーザーは、スマートフォンアプリを含むさまざまな端末環境から同システムを利用可能。「Microsoft Entra ID」や「Google Workspace for Education」とのシングルサインオン機能を実装しているため、日常のコミュニケーションや出欠連絡をスムーズに実行できる。また、入力された情報はリアルタイムで通知されるとともに、必要に応じて教員が承認した上で成績帳票や出欠簿といったさまざまな書類に反映されるので、教員の業務効率化にもつなげられる。
セキュリティ面では、シングルサインオンや2要素認証といった認証機能を搭載するほか、データ暗号化や操作ログ保存にも対応する。さらに、細かな権限設定やファイル入出力のための承認フローの設定も可能。校務系と学習系のネットワークを統合した環境での利用や、教職員のロケーションフリーでの利用でも、万全のセキュリティ環境を提供する。
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