デジタルハリウッドは、茨城県から委託を受け、8月より県立高校・中等教育学校を対象に展開する「茨城県 高等学校DX加速化推進事業域内横断的な取組支援業務」を担当していることを、10月10日に発表した。

2025年度、全国47都道府県において「高等学校等におけるDX加速化推進に向けた域内横断的な取組事業」が展開されている。同県では、県内の情報科教員の専門性向上と教職員全体の生成AIリテラシーの定着を図るとともに、県内のデジタル人材育成に関する取り組みを共有し、全国に発信することで県全体の取り組みを活性化させることを目的としている。
同社の具体的な支援内容については、「情報Ⅱ」に関する教員研修、生成AIリテラシーに関する教員研修、先端技術など(大学、企業、高等学校)の視察研修、実践事例共有会、DXハイスクール採択校の生徒による発表会、DXハイスクールのPR動画制作などが挙げられる。
DXハイスクール(高等学校DX加速化推進事業)とは、高等学校の段階におけるデジタルなどの成長分野を支える人材育成の抜本的強化を図るため、情報、数学などの教育を重視するカリキュラムを実施するとともに、ICTを活用した文理横断的・探究的な学びを強化する学校などに対して、必要な環境整備の経費を支援するもの。2025年度については、全国で1191校の高校が採択を受けている。
茨城県 高等学校DX加速化推進事業域内横断的な取組支援業務は、県内の情報科教員の専門性向上、教職員全体の生成AIリテラシー定着、これらを通じたデジタル人材育成、全国への県取り組みのPRを目的としており、県立高等学校、中等教育学校を対象に域内横断支援を行うもの。事業内容と同社の具体的な支援内容は次のとおり。
1.「情報Ⅱ」に関する教員研修
「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説情報編 第1部 第2章 第2節 情報Ⅱ」を基準とし、加えて、数理・データベース・AIの活用を前提とした実践的な研修を実施する。さらに、実際のカリキュラムや指導法(ハイブリットラーニングなど)、評価法についても解説する。研修教材には、参加者が研修で利用する生成AIやプログラミングなどの実施環境について研修で取り組んだ内容を各学校の授業などで、特別な設備や環境がなくても活用可能な教材を工夫する。また、情報科以外の教員も参加することを想定し、生成AIやプログラミングなどのデジタル技術に対する教員の興味関心を高め、積極的に学習できる内容とする。
2.生成AIリテラシーに関する教員研修
同社のオンラインスクールなど(動画教材を活用したeラーニング)で展開している「プロンプトエンジニアリングマスター講座」の実績や高等学校教員向け生成AI活用研修のノウハウを活かし、新たに動画教材を開発・提供する。「生成AIの基礎知識」「ガイドラインについての概要と解説」「生成AIを活用する上での留意点」「校務としての生成活用事例」「授業としての生成AI活用事例」などの項目が含まれる。
3.先端技術などの視察
先端的な技術や教育カリキュラムを持つ首都圏の企業、大学、高等学校を視察する。先端プログラムの体験や有識者とのディスカッションを通じて、学びを学校現場へ還元する。
4.実践事例共有発表会
県内採択校の実践事例共有会をオンラインで開催する。学校の取り組みや課題点を共有することで、県全体の取り組みの活性化を図る。
5.DXハイスクール採択校の生徒による発表会
県内の採択校の生徒を主体とした、デジタル探究活動の発表会を開催し、県内採択校と県外採択校の取り組み事例を発表する。リアルでの開催と並行して、オンラインで同時配信もすることで、より多くの高校生、高校教員、高校生の保護者、中学生に発信する。
6.DXハイスクール採択校のPR動画の制作
県内の採択校の2025年度の成果として、各校の取り組み事例をまとめたPR動画を制作する。
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