「選ばれる大学」になるために必要な変化
加藤氏は最初に、東洋大学の概要を紹介。学生数が3万人を超える東洋大学は今年で創立137年を迎え、現在は14学部51学科・専攻を設置し、キャンパスは東京都と埼玉県の全4か所にある。また、創立者である井上円了氏の「余資なく優暇なき者へ」という理念を引き継ぎ、6学部8学科に夜間部を設置している。近年はグローバル人材の育成にも力を入れており、国際性を高めるための取り組みを行っているという。
次に、加藤氏は大学入試の現状を伝えた。現在の大学入試の傾向として、指定校推薦で年内に入学を決めたい生徒と、一般入試を目指す生徒との二極化が非常に進んでいる。その上、少子化により定員割れの大学が年々増加している厳しい状況でもある。
そのような状況下で、東洋大学が抱えていた課題として、加藤氏は「10年以上前から、東洋大学の教育内容や取り組みが社会に伝わっていない」ことを挙げた。さらに、入学してきた学生の多くは学習意欲が低い傾向にあり、学部や学科によって人気が大きく分かれているという。だからこそ「『選ばれる大学』になるためには変化が必要である」と、聴講者に強く伝えた。
では、東洋大学は「選ばれる大学」になるため、どのように変化してきたのか。セミナーでは、その中でも「入学者の獲得戦略」にスポットを当てて語られた。