GIGAスクール構想で導入された1人1台端末は、学校の授業や校務のあり方を変える大きな可能性を持っており、子どもたちのポテンシャルを引き出すツールにもなり得ます。本連載では小学校の学級担任である筆者が「日常的にICTを活用した学級経営のあり方」について、担任としての心得を事例と共に紹介していきます。第7回のテーマは「端末の使用時間を制限すべきか?」です。連載の主人公である先生と一緒に考えてみませんか?
保護者から連絡帳への記入が!「端末の使用時間」を制限すべき?
前回、保護者から「家に持ち帰った端末を際限なく使っている。YouTubeをずっと見ている」といった連絡帳への記入が……! 正直、持ち帰りは止めようかな、と思ったのだけれど、まずは一郎先生に意見を求めてみることに。
私
一郎先生、大変です。保護者から「家で端末を際限なく使っている。YouTubeをずっと見ている」といった連絡帳への記入が……! どうしましょう
一郎
スクリーンタイムとの戦いだね。まずは今までどんな指導をしてきたか、思い出してみよう
私
そうですね……昨年度、外部講師を呼んで実施した情報モラル講演会では、講師の先生が「ゲームは1日30分まで! それ以上は脳に悪影響!」と言っていました。やっぱり「GIGA端末も1日30分まで!」と制限したほうがよいということですか?
一郎
う、うん。いったん落ち着こうか。以前(
連載第3回)、私はこう言ったんだ。覚えているかな?
一郎
原則をまずはしっかりと周知すること。学習用の端末であるから「学びがよりよくなるように使う」ことをきちんと知らせることが必要だね。YouTubeをずっとダラダラと見てしまうといった活用がなぜNGなのかをきちんと知らせること。ただ「何時間まで」と時間のルールで縛るのではなく、どのような目的で使っているのかを意識して、目的外の活用を自分でストップできる力を身につけさせること。ここに関しては後ほど「デジタル・シティズンシップ」という観点で説明していくね
一郎
気づいたと思うけれど、時間のルールで縛るのではなく、どのような目的で使っているのかを意識させる必要があるということに注目してみて
私
そう言えば……でも、この内容だと少しわかりづらいような? もう少し詳しく教えてください
一郎
もちろん。デジタル・シティズンシップ教育におけるスクリーンタイムについて少し見ていこう