ポプラ社は、小中学校向け教育ICTプラットフォーム「MottoSokka!(もっとそっか!)」にて提供する読み放題型電子図書館「Yomokka!(よもっか!)」が、7月からすべての横浜市立小学校・義務教育学校・特別支援学校に導入されたことを、7月2日に発表した。この取り組みは、6月30日に横浜市長が行った定例記者会見でも発表されている。

「Yomokka!」の導入対象は、横浜市立小学校・義務教育学校・特別支援学校の351校に通う児童約17万人となる。横浜市教育委員会は、「Yomokka!」の導入メリットとして以下の4点を挙げている。
- 同じ本を何人でも同時に読めるため授業などでの活用の幅が広がる:1人1台端末の活用で学校図書館以外の場所でも読書が可能(端末の持ち帰りにより自宅でも)なほか、授業での課題としてクラス全員が同じ本を読んで感想を共有したり、朝の読書タイム・調べ学習などでも活用できる
- 学校図書館の本の不足を補う:7月時点で43社約5000冊が読み放題。物理的な制約で本を配架しきれない学校でも本の拡充が可能
- 子どもたちの読書状況が確認できる:冊数・ページ数・利用時間といった読書量を把握できるほか、自分だけの本棚で読書日や感想などの読書履歴が確認できる
- 多様な子どもたちの読書機会の確保(読書バリアフリー):図鑑などすべての本を拡大して表示できるほか、文字の大きさ・色・フォント、背景の色を変える機能や、音声での読み上げ機能が搭載されている(絵本などを除く一部の本)
なお横浜市では、今回の導入に先立ち2024年7月から1年間「Yomokka!」を市立学校9校にて試行導入した。横浜市教育委員会は、以下のような導入成果を発表している。

1つ目の成果としては、試行校における試行期間の1人あたりの読書数が、全国平均(月13.8冊)を上回る月約20.7冊になった。

2つ目は、多くの試行校にて、試行導入前の2023年度と比較したところ、学校図書館の来館者数や本の貸出冊数が増加した。
そのほか、試行校の子どもや教職員、保護者などから多くの好意的な感想が寄せられたという。

「Yomokka!」は、「いつでも、どこでも、好きなだけ!」をコンセプトに、子どもたちに新たな読書体験を提供することを目指した読み放題型電子図書館。ポプラ社と「Yomokka!」の理念に共感した参加出版社のさまざまな作品を取り揃えており、2025年7月時点で43社・約5000冊の作品を掲載している。
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