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イベントレポート(アクティブラーニング)

「子どもが輝く授業」を実現するための鍵とは何か──筑波大附属小・盛山教諭の授業から考える「学級経営」

NPO法人 全国初等教育研究会(JEES)「第11回 JEES教育シンポジウム」レポート

 教員や教育委員会の関係者、教員を目指す学生を対象にした「第11回 JEES教育シンポジウム」が、7月21日に開催された。「授業のなかで子どもが輝く学級経営 ~自分の輝き方を見つけられる子どもを育てる~」をテーマにした本イベントでは、小学校における学級経営を中心に、さまざまな議論が交わされた。JEESの理事であり、筑波大学附属小学校の教員である盛山(せいやま)隆雄氏による講演のほか、若手教員や管理職、研究者らによる多角的な視点からのパネルディスカッションが行われた。本稿でレポートする。

盛山氏が授業で大切にする「学びへの素直さ」

 JEES(NPO法人 全国初等教育研究会)は2012年、「若い先生を応援する」をミッションに発足したNPO法人だ。教育が複雑化する昨今、過酷な思いをしている若手教員が多く存在する。同法人は、そんな若手教員に向けて、フリーペーパーによる情報発信やイベント開催、研修といった支援活動を行っている。

 JEES理事長で、東京学芸大学教職大学院・教授/学長特別補佐の堀田(ほりた)龍也氏は「授業づくりのベースには学級経営がある。大学の教員養成課程で、学級経営についてあまり習わないことは非常に大きな問題」と述べ、本シンポジウムのテーマである「学級経営」の重要性を示唆した。

 セミナーでは最初に、筑波大学附属小学校の盛山隆雄氏による講演「授業のなかの学級経営」が行われた。講演では算数の専科教員である盛山氏の授業を例に、自身が大切にしていることを共有。その後、映像で実際の授業の様子を示しながら、学級経営のポイントが解説された。

JEES理事/筑波大学附属小学校 教諭 盛山隆雄氏
JEES理事/筑波大学附属小学校 教諭 盛山隆雄氏

 盛山氏は授業において、以下の点を大切にしているという。

 1つ目は「堅苦しくない雰囲気」だ。盛山氏のクラスではつぶやきが多いといい、挙手指名制ではなく、のびのびと学ぶことを志向している。教員はもちろん、子ども同士でも失敗を許容する空気を大事にし、「戸惑っている児童を軸に展開することが多い」と話した。

 「一番大切なことは『学びへの素直さ』だと考えている。わからないときには、どこがわからないか友だちに話せること。もっといい考えが浮かんだときには遠慮なく言えること。そういった学びへの素直さ・誠実さを大事にしたい」(盛山氏)

 2つ目に「互いの思いや考えへのリスペクト」を重視している。自分が持っていない考えを聞けることを「ありがたいこと」だと価値づけて、クラスで共有。リスペクトがあるからこそ、スルーしないで意見を言い、積極的に関わるスタンスだ。「『もうちょっとこうしたほうがいいと思う』『これは違うんじゃない?』と遠慮なく言えることが大事」と盛山氏。もちろん言い方の配慮は必要だが、「関わってもらえることはいいこと」という前提がある。特に、算数は問題解決の教科であるため「間違い」がつきものだ。間違いを否定するのはもったいないことで、むしろ「学びのプロセスである」という考えを児童に伝えている。

 具体的には、ほかの児童が間違えた際に「おかしい」と指摘はしないルールだ。間違いと出会った場合は、まず「『なぜこれを間違いと言えるのか』を説明してみよう」、そして「なぜ○○さんはこう考えたのかを探ってみよう」と促す。最終的に、どう修正すればいいか導く方向に進む。

 「間違いに対して、指摘ではなく『なぜ、こう考えたのかわかります!』と手が上がることは好ましいこと。正解主義に走らないように、チャレンジしたこと自体を尊重するように意識している」(盛山氏)

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すべての子どもたちが主役になる盛山氏の授業

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

 IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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