立命館とNTT西日本は、教育向け生成AIの共同開発と活用を開始することを8月6日に発表した。この取り組みは、児童生徒、学生、卒業生という「立命館学園」のすべての学習者に対して、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を目指して行われる。
立命館では「学園ビジョンR2030」のもと、立命館大学、立命館アジア太平洋大学、各附属校の枠を超えた、立命館ならではのシームレスな教育・研究を展開している。
一方NTT西日本では、学生・教職員だけでなく卒業生ともつながるための認証・連携サービス「LinkU-ID」を通じて、卒業生が学び続ける仕組みと環境を提供。それとともに、生成AIと電子教科書、LMS(学習管理システム)などのテクノロジーを組み合わせた、教育の質向上に資する新サービスの創出を推進している。

今回発表された、教育向け生成AIの共同開発および活用に向けた取り組みでは、児童生徒、学生、卒業生の学びの可視化、および立命館オリジナルAI「R-AI」の学びへの本格活用を行う。
あわせて、生成AI、電子教科書、LMSとAI会話履歴の連携による「個別最適な学び」や、LinkU-IDとLinkedInラーニングを活用した生涯学習基盤としてのオンライン学習サービス、先輩の学びの軌跡や歩みをもとにしたキャリア検討の仕組みを提供する。
さらに、アルムナイネットワークを構成可能なプラットフォームづくりを行う。
同取り組みの対象となるのは、約5万人の児童生徒および学生のほか、40万人超の卒業生もLinkU-IDを活用して会員化し、「立命館学園」の学習者とする。学習者に対して、中央教育審議会(初等中等教育分科会)で示されている、誰1人取り残すことなく育成する「個別最適な学び」と、多様な個性を最大限に生かす「協働的な学び」の一体的な充実を、「学園ビジョンR2030」を踏まえて実現していく。
「個別最適な学び」では、生成AIと電子教科書、LMS、生成AIで得た学習者個々のコンピテンシーを、有機的に連携させていく。これにより、個別最適な学びための仕組みを提供し、学習の個性化を実現する。また、生成AIの教育での活用を積極的に推進するとともに、学習者に対してLinkedInラーニングの提供を行う。
「協働的な学び」では、学習者が主体的に学びに向かって、学んだことを人生や社会づくりに活用していくことへの意識や積極性につなげられるようなプラットフォームを構築する。その際、児童生徒、学生、卒業生で構成される「立命館学園」を1つの社会と捉え、在学生と卒業生、または卒業生同士の交流や、後輩が先輩の歩みを参考に自己のキャリア検討を可能にするようなプラットフォームを目指す。
どちらの学びも、立命館が有するあらゆる教育情報にクローズに接続する生成AI環境を最大限に活用することで学びを可視化。学習者に対し、自身の成長や他者の価値を認識させることで意欲を喚起し、生涯にわたっての能動的な学びを支援していく。
今後、同学では、キャンパスを児童生徒および学生、教職員、卒業生のリアルな交流を生み出す実践の場として展開していく。リアルと生成AIなどのデジタルを最適に融合し、教育機関として学びに寄与し続け、NTT西日本はそれらの取り組みを最新のテクノロジーで支えていくという。
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