木村情報技術は、DXハイスクール(高等学校DX加速化推進事業)の採択校に向けて、授業内でEDAツールを活用した実習型の半導体教育を可能にする「DXハイスクール支援サービス」の提供を開始することを、12月2日に発表した。なお、EDAツールとは半導体設計に使われるソフトウェア。同サービスでは、半導体設計用EDAツール「SX-Meister」のアカデミック版(教育現場向け)を利用する。

近年、世界的に半導体市場が成長を続ける一方で、日本の半導体関連産業では国際競争力の低下と、深刻な人材不足が大きな課題となっている。半導体人材を継続的に育成するためには、大学や高専といった高等教育機関だけではなく、より早期の段階である高校生以下への働きかけも重要とされている。しかしながら教育現場にて最先端の半導体教育を行うには、設備整備や専門的な指導体制の構築が必要となるため、現場の教員だけでは対応が難しい。
「DXハイスクール支援サービス」は、このような課題の解決に貢献すべく提供が開始された。同サービスでは座学だけでは理解しにくい内容を体験的に学べるほか、実務プロセスを疑似体験できる。また、進路選択におけるミスマッチ低減につながる効果も見込まれる。
授業では、ジーダットが開発・提供する半導体設計用EDAツール「SX-Meister」のアカデミック版(教育現場向け)を活用する。同製品のアカデミック版は、木村情報技術とジーダットが連携して開発され、DXハイスクールの補助金で導入しやすい価格設定となっている。
あわせて「DXハイスクール支援サービス」では、高性能パソコンなどのICT機器、実習授業、オンライン学習システムの導入といった、教育現場に必要なサービスをワンストップで提供する。おもな提供サービスは以下の通り。
- オンライン学習システム:生徒が自分のペースで学習できるオンライン学習環境を提供。半導体教育関連コンテンツだけでなく、学校独自コンテンツの搭載にも対応
- 教職員向け研修:専門スタッフが教職員にEDAツールや授業設計について説明
- 1Day特別授業:半導体設計の専門人材が実習授業を実施
- 半導体設計用 EDAツール「SX-Meister」(教育機関向けライセンス):EDAツール「SX-Meister」の国内初の教育機関向け販売代理店として、アカデミック版を特別価格で提供
- ICT機器の提供:EDAツールに対応したハイスペックなパソコンなど、授業に必要な機材を学校の要望に合わせて提供

同社は「DXハイスクール支援サービス」の提供を通じて、半導体設計用EDAツールを用いた実習型授業に加えて、教職員向け研修や特別授業への講師派遣を行うことで、日本の半導体人材育成に寄与していく。
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