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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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未来の学校現場考──教員のサステナブルな働き方を考える

学校と民間を行き来するキャリア──「また先生になりたい」を叶える仕組みとは?

未来の学校現場考──教員のサステナブルな働き方を考える 第11回

 教員を辞めた後も、「また子どもと関わりたい」「やっぱり教えることが好き」と、もう一度教壇に戻りたいと考える人は少なくありません。一方で、制度上は戻る道があっても、実際に復職する先生は多くないのが現状です。教員免許を持っていれば、教壇に戻ることは制度上可能です。臨時的任用や講師としての復帰はもちろん、正規教員としての再採用も可能で、退職した元教員を対象にした「カムバック採用」を導入する自治体も増えています。しかし、「もう現場についていける自信がない」と諦める人が多くいるのです。教員不足が深刻化する今、教職を「一度きりのキャリア」ではなく、「行き来できるキャリア」として再設計することが求められているのではないでしょうか。そこで今回は、教員のキャリア支援に取り組むクジラボ代表の森實泰司さんに、学校を行き来するキャリアについてお話を伺いました。

株式会社クジラボ 代表取締役 森實泰司(もりざね だいじ)氏

 株式会社リクルートで採用コンサルタント、ITベンチャーで人事責任者経験後、人事コンサルタントとして独立。現在も人事顧問に従事するなど、教員をはじめ数多くの転職者と関わる。2019年に学校法人の事業を承継し私学経営を行うかたわら、2021年に教員のキャリア支援事業を行う株式会社クジラボを創業。ミッションは教育のオープン化。

学校の外での経験は、ブランクではなく厚み

──辞めた先生の中には、「また学校に戻りたい」と考える方も多いのでしょうか。

 教職を離れた後も「やっぱり子どもに関わりたい」「教育の仕事にもう一度携わりたい」と話す人はたくさんいます。外の世界で働いたり、異なる分野を経験したりする中で、教職の魅力ややりがいに改めて気づくケースが多いようです。ただ、実際に学校に戻る事例はそこまで多くないと感じています。

──実際に戻ってくる先生は少ないんですね。なぜなのでしょうか?

 「もう現場の空気がわからない」という声をよく聞きます。ICTの導入やカリキュラムの改訂も進み、教育現場は常に動いています。「浦島太郎のように感じる」と話す人も少なくありません。

 ただ、いちばん大きいのは「辞めた当時の課題が解決されていない」と感じることです。例えば、長時間勤務や部活動負担、会議の多さ、閉鎖的な意思決定、保護者対応の過重、裁量の少なさなど、当時「つらい」と感じた点が今も続いているなら、やはり戻りづらい。

 加えて、人間関係を一から築き直すプレッシャーもあるでしょう。結果として、「戻れるけれど、前と同じならまた苦しくなるのでは」と迷い、足が止まってしまうのです。

──実際に学校の外を経験して戻ってくる先生は、どのような方々なのでしょうか。

 外に出た人ほど「教育のよさ」を実感して戻ってきます。民間を経験したある先生は、「多様な価値観に触れて、生徒を見る目が柔らかくなった」と言っていました。民間で培ったマネジメント力やコミュニケーション力を、学校というチームの中で活かしたいという方もいました。「ミーティングの進め方を見直したい」「情報共有の仕組みを改善したい」といった声もよく聞きます。

 そうした「外の学び」を学校に還元したいという思いが、「出戻り」の動機になっているんです。外の経験は「ブランク」ではなく「厚み」。しかし、現場にそれを受け入れる体制が整っていなければ、せっかくの経験が活かせません。出戻りを後押しするには、「戻る側」だけでなく「迎える側」が変わる必要があります。

次のページ
役割を明確にして、経験を活かす

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この記事の著者

津田 迪加(ツダ ユカ)

 公立小学校教員を11年経験後、教育の現場で培ってきた傾聴スキルや言語化スキルを生かし、フリーランスライター・編集者として活動中。株式会社クジラボに2021年創業時より携わり、教員向けイベントの企画・運営も行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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