ベネッセi-キャリアは、自社の提供する大学向けオンラインテスト「GPS-Academic」における記述問題の採点にAI自動採点システムを導入して、2026年2月から提供する2026年度版テストより結果の即日返却を開始する。
「GPS-Academic」の目的は、「思考力」「姿勢・態度」「経験」の観点から社会で活躍するために必要な能力を可視化して、それらの結果から自身の強みや課題などを把握した上で、主体的な学びにつなげていくことである。
同テストは、選択式と記述・論述式の2つの形式がある。記述・論述式では、実生活に即した論述問題を出題して、論理性や視野の広さ、課題設定の的確さといった思考のアウトプットを多面的に測定。確立したルーブリックに基づいて、質の高い採点で受検結果を戻す。その結果を通じて、学生が自身の強みや弱みを振り返り、学習のサイクル(PDCA)を回せるように支援し、社会で活躍するためのスキル習熟を目的とする。
しかしながら、これまでは専門のスタッフによる採点に一定の時間がかかり、返却するまで約1〜2か月を要してしまうことが課題となっていた。
そこで今回より、AIが採点ルーブリックに基づいて評価するAI自動採点システムを導入。出題形式や測定項目を変更することなく現行と同じ品質を維持したまま、即日での採点から返却までを可能にした。
即日で受検結果がわかるので、学生は受検後の記憶が新しいうちに振り返りができるようになり、学内での成長行動のきっかけとしやすくなる。また、返却期間を気にすることなく受検が可能なため、活用の自由度が高まった。
なお、同社が運営するシンクタンク「まなぶとはたらくをつなぐ研究所」による調査(「企業の『新卒採用動向』における調査 2025」(回答:823社、2025年12月レポート公開予定)、「大学キャリアセンターの『学生キャリア支援』における調査 2024」(回答:277大学、2024年8月26日~9月13日実施))では、企業・大学ともに思考力や問題解決力といった学生の「汎用的スキル」を重視している。しかしながら、学生が入社した後に企業が最もギャップが大きいものも「汎用的スキル」となっている。


このような状況の要因のひとつに、学生の「理解はあるが書けない」というアウトプット不足が挙げられる。同社では、AI自動採点を導入して「GPS-Academic」を即日で返却することで、学生がアウトプットの機会と学習のサイクルをより早く多く回せるメリットがあると考えている。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
