調べ学習とプログラミング教育の組み合わせ
一口に「調べ学習」と言っても、国語・理科・社会・総合などさまざまな教科で行われているようですね。その調べ学習にプログラミング教育をどう取り入れていくのか、小学校で実際に教員をされている方にお話を聞いてみたいと思います。ここからは、福岡県で小学校教員をされている岡田先生にバトンタッチします。岡田先生、お願いします!
社会科の調べ学習に取り入れる例を紹介
はい! みなさん初めまして、岡田です。福岡県で小学校の教員をしています。現在、企業研修のため、しくみデザインに出向中です。どうぞよろしくお願いします。
さて調べ学習ですが、確かに俊介さんがおっしゃったように教科や学年に関係なくさまざまな場面で位置付けられています。「自分が不思議に思ったこと」「授業で生まれた課題」などについて本やパソコンで調べたり、その場所に行ってみたりと、調べる場面や方法はたくさんあるんです。今回はその中でも社会科の学習を例に、調べ学習でのSpringin’(スプリンギン)の活用の仕方を紹介したいと思います。
調べたことを何にまとめるか
さて、社会科では学年ごとに学習する内容が大きく変わります。
代表的なものを挙げると、
- 3年生=身近な地域の様子(お店や公共施設など)
- 4年生=自分の住む都道府県の様子(特産や伝統工芸など)
- 5年生=日本の産業や世界とのつながり
- 6年生=歴史上の出来事や政治のしくみ
などです。これだけたくさんの内容があるのに、調べたことをまとめる方法は、ノートや新聞など限られています。
これはもったいない! せっかく子どもたちががんばって調べたことです。何にまとめるかの選択肢は多いほうがいいですよね。そのためにスプリンギンを使ってみましょうというお話です。
それぞれの良さを生かして
紙やデジタル、それぞれのまとめ方にどんな良さがあるのでしょうか。
まずは新聞やノートなど、紙にまとめることの良さです。
- たくさんの文字を使ってまとめることができる。
- 絵や見学でもらったパンフレットなどを張り付けることができる。
- まとめたものを学校の掲示板に張ることができる。
ではデジタル、スプリンギンでまとめていくとどうでしょう? そこにはこんな良さがあります。
- 写真を張り付けたり描き込んだりすることが簡単にできる。
- シーンチェンジ(ページを変える機能)でページのリンクを付け、載せられる情報を増やすことができる。
- ネット上で公開すれば学校外の人にも見てもらうことができ、児童がまとめる目的の幅が広がる。
- 見学先で録音した音をひも付けることができる。
どちらにも良さがありますが、スプリンギンでまとめていくと、それを見る人は操作しながら情報を受け取ることができます。情報の受け手が自分の知りたいことから見たり、写真を拡大したりすることができ、主体的になれるのです。
ここからはスプリンギンでのまとめ方と、その手順について説明します。
自分の住む地域についてまとめる場合
今回は小学3年生などで行う、自分の住む地域について調べたことをまとめる学習を想定しています。まとめるのはデジタルパンフレット。施設をタッチするとそれぞれが詳しく分かる、次のようなワークをつくっていきます。
では、つくり方について説明します。
以降は、連載第2回「プログラミング的思考を4つのキャラクターの動かし方から学ぼう」をお読みいただいていることを前提としています。「まだ読んでいない!」という方は、まずは第2回をお読みください。お時間のある方は第3回も読んでいただくといいかもしれません。きっと10分もかかりません。
まずはアイテムづくり。紹介する施設の写真を使います。
「あれ? スプリンギンって絵を描くだけじゃなくて、写真も使えるの?」と思いましたか?
そうです。写真も使えるんです。実際に見学に行くときには、それを見越して写真を撮らせておくといいですね。