スプリックス教育財団は、「基礎学力と学習の意識に関する保護者・子ども国際調査2025」の結果を2月12日に発表した。
同調査の目的は、基礎学力に対する意識の現状を把握することにある。基礎学力の一部である計算力と世帯年収等のSES(家庭の社会経済的背景)に、どの程度相関があるのかを調査している。調査対象は、アメリカ、イギリス、フランス、南アフリカ、中国、日本の6か国における小学4年生と中学2年生で、調査時期は2025年4月〜7月となっている。
まず、計算テストによって基本的な計算力と世帯年収に相関があるのかを検証した。日本と、それ以外のパネル5か国について、小学4年生の世帯年収層別に計算テストの得点層(計算力層)の占有割合の変化をグラフにしている。なお、各国内での相対的な経済力・計算力を比較できるように、世帯年収層および計算力層を、国別・学年別にそれぞれ高・中・低、A・B・Cの3層に分類している。
その結果、いずれの国でも、世帯年収が低いほど計算力がC層(低め)の割合が高く、世帯年収が高いほど計算力がA層(高め)の割合が高いという、典型的なSESの相関がみられた。とりわけ日本では、世帯年収が高い層のうち、計算力が高いA層の割合が56%となっている。
さらに小学4年生の世帯年収と計算力の相関関係では、世帯年収以外にも一般的に学力に相関があるとされる「教育費」「本の数」「親の学歴」の指標についても分析している。教育費は、習い事にかけている1か月あたりの費用を、国別学年別に高・中・低の3層に分類している。本の数は、家庭に所有する本の数を「本箱2つ分以上」「本箱1つ分程度」「本箱1つ分未満」で多・中・少に分類している。親の学歴は、保護者の学歴が大学または大学院である人数(0、1、2)で分類している(無回答、その他、不明は除く)。
その結果、調査対象となったすべての国で、いずれの指標においても、低い/少ないほど計算力がC層(低め)の割合が高い、高い/多いほど計算力がA層(高め)の割合が高いという、典型的なSESの相関がみられた。
とりわけ日本では、教育費が高ければ高いほど子どもの計算力が高い、両親ともに大卒以上であれば子どもの計算力が高いという傾向が強い。両親ともに大卒の場合は、計算力が高いA層の割合が62%に達している。両親ともに非大卒の場合(24%)と比較して、38ポイントもの差がみられる。
子ども自身(小学4年生)と保護者に対して、大学以上への進学希望と世帯年収の相関を分析した。その結果、いずれの国でも、子どもと保護者の両方で世帯年収が高いほど高い学歴を希望する傾向がみられた。
ただし日本の場合は、統計量が少ないこと、ごく一部の自治体における調査であること、大学進学費用の懸念が平均的な世帯にも存在すること、日本の小学4年生は「進路が未定」とする割合が極端に高い(44%)といったさまざまな要因から、調査結果に統計的有意性は示されていない。
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