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Google、ChromebookやG Suite、研修をまとめて提供する「GIGAスクールパッケージ」を発表

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2020/03/17 18:30

 Googleは「GIGAスクール構想」に準拠した教育機関向けソリューション「Google GIGA School Package」の提供を3月17日から開始した。本稿では、そのオンライン発表会のレポートをお届けする。

 オンライン発表会では、まず文部科学省 初等中等教育局 情報教育・外国語教育課長 高谷浩樹氏より、2019年12月に発表された「GIGAスクール構想」のアウトラインについて改めて説明された。

 「GIGAスクール構想」は子どもたち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育むICT環境の実現への取り組み。その2つの柱となるのが「校内通信ネットワークの整備」と「児童生徒1人1台端末の整備」だ。校内ネットワークの整備では費用の2分の1、1人1台端末の整備では4万5000円を上限として補助が出る。高谷氏は実現ロードマップを示し、現状は「成立済みの予算で、各自治体との調整を進めているところ。端末1台あたり4万5000円の補助をどのように利用できるか、モデル例を示していく」とした。

 続いてGoogle for Educationのディレクター John Vamvakitis(ジョン・ヴァンヴァキティス)氏より、本日から提供開始した「Google GIGA School Package」について説明がなされた。

 このパッケージでは、「GIGAスクール構想」に対応した形で、Chromebookとクラウド型学習プラットフォームのG Suite for Education、そしてそれらの導入を支援する研修Kickstart Programの3点を提供する。詳細は以下の通り。

  • Chromebookの導入に伴い、MDMに当たる同ドメイン内の全端末を一括設定できる管理コンソールChrome Education Upgradeを付与。2020年度、文部科学省の標準仕様書に対応したChromebookは 6メーカーより14機種が提供される。
  • 場所を問わずに共同学習・遠隔教育が可能なG Suite for Educationを無償で提供。教員と生徒との円滑なコミュニケーションをサポートする Classroom を含む G Suite のサービスを通じ、生徒の主体的な学びを支援。また教員の公務の効率化に寄与することを期待している。
  • Kickstart Programでは、Google for Educationを導入するすべての都道府県・市町村にて、パートナーと協力し無償で現地研修を提供。研修ではChromebookの設定、Google for Educationの使い方から授業での活用方法といった1人1台の授業に必要な教員のスキルアップにつながるコンテンツを用意する。

 詳細は Google for EducationのWebサイト内、Google GIGA School Packageのページで確認できる。

 ヴァンヴァキティス氏は「こういった環境を整えることによって、教室における勉強の仕方、経験そのものが変わってくる。授業時間の節約になるだけでなく、子どもたちが互いにコラボレーションしたり、自分自身の興味に基づいてもっと一生懸命学習するようになったりします」と期待を込めた。

 また、経済産業省 サービス政策課長(併)教育産業室長の浅野大輔氏は、「未来の教室」を取り組みを進めてきた視点から、1人1台をはじめとする「GIGAスクール構想」の必要性について語った。

 「未来の教室」実証事業では、学習の個別最適化、文理融合(STEAM)、社会課題解決を主なテーマとして、EdTechを活用した効率的な知識習得と、創造的な課題発見・解決能力育成を両立した、新たな学習プログラムの開発・実証を進めている。

 浅野氏は、自身が災害対応にあたった例を挙げながら、これからの社会に必要な学びについて、「未知の事象に遭遇した時も、世界中から知見を集めて課題を解決し、価値を生んでいける。そういう学びを一日でも早く実現したい」と語った。

 知識のインプットの学習活動は、EdTechを使うことでもっと効率化できるはず。その分で生み出された授業時数を、教科の垣根を越えた探究学習に充てていくのが理想的だ。

 とはいえ教科を軽視しているわけではない。基礎学力の重要性は薄れないが、児童生徒の認知能力には差がある。それは「学びの個別最適化」によって、適切な学習に変革していくべきだとした。例えば、塾が先行的に活用を始めているAIドリルや動画教材などを学校にも導入する方向で進めているという。

 これまで、こうした学びの普及に向けて、先生向けに実証事業の成果を体験する「未来の教室キャラバン」を、Googleと共に実施してきた。浅野氏は、「来年度からはこの活動もより加速していきたい」と話す。

 また、現在コロナウイルス感染症拡大防止のための臨時休校要請を受けて、「未来の教室」では「#学びを止めない未来の教室」プロジェクトを実施。休校中の児童・生徒に向け、無償のEdTechサービスや学習プログラムのリンク集をWebサイトに掲載している。「この機会に一人でも多くの子どもたちや保護者の皆さんに体験していただき『こういう学びができるんだ』と気づいていただきたい。『GIGAスクール構想』の最初の一撃になれば」と語った。

 最後に町田市 教育委員会 学校教育部 指導室長 兼 指導課長の金木圭一氏より、同市が2017年よりGoogleの教育ソリューションを導入してきた中での成果と、「Google GIGA School Package」に期待することが語られた。

 町田市では2017年度からCromebookを導入し、段階的な導入を進めてきた。現在、児童・生徒用が1校40台、教員1人1台の導入が完了したところだ。昨今の臨時休校の際に成果は垣間見えており、教員は校務支援システムにも遠隔で入れるため、即座に自宅勤務が可能になった。また、課題をメールで配布しGoogle Formで解答する形で宿題を出すこともできた。

 さらに金木氏は「Kickstart Programの話があったが、15分ぐらいで学べるパッケージがあると、教員にとってもよいのは」と短時間の研修サポートを期待。最後に「機器はツールであって目的ではない。授業の狙いを外してはならないので、教員には授業を設計する力がないといけない。文房具と同じようにICT活用できる教員を育てていきたい」と教員自身のICT活用能力の向上が必須であることを強調した。

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