生徒主導で実施された「生成AI異学年学習交流会」
令和5・6年度の生成AIパイロット校に指定されていた相模原市立中野中学校。生成AI異学年学習交流会では約1年半にわたって生成AIを活用してきた中学3年生が、これから本格的に活用する中学1年生に向けて、学習活動でどのように生成AIを活用すればよいのかを伝えた。[※]
[※]同校で使用されている生成AIはOpenAIの「ChatGPT」とGoogleの「Gemini」の2つで、2025年4月時点の規約ではいずれも13歳以上でなければ使用できない(ChatGPTは親権者または法定後見人の許可も必要)。そのため、同校では13歳の誕生日を迎えた生徒から使用を開始しており、中学2年生から本格的に活用している。
交流会は3年生が卒業を控えた3月7日と10日に行われた。実施を決めたのは梅野総括教諭だが、交流会の中身や当日の進行はすべて3年生の生徒が主導し、クラスごとに異なる展開で進められた。



1年生はこれまでの使い方を振り返るきっかけに
交流会終了後、まず中学1年生に感想を聞いた。
これまで「わからないことを生成AIに入力し、さらにその出力結果を簡潔にまとめるように指示していた」という生徒は、「生成AIの回答はすべて合っていると思っていたし、まとめてもらった内容をコピペして終わってしまうことが多かった」と振り返る。しかし交流会の中で出力結果を改めて読んでみたところ、意味が通らない部分もあったといい、「これ以上、コピペだけしても自分のためにならないと思った」と話す。さらに、3年生からは「電柱が写っている写真など、住所がわかるような画像をアップロードしてはいけない」といった、生成AIに画像を読み込ませる際の注意点も教えてもらったという。
また別の生徒は「プロンプトを工夫することで、自分に合った出力結果が返ってくることを知ることができた」と話した。これまでは「レポートを書くときなどに生成AIを使っていたが、めあてを入れてどうすればいいか聞くだけだった」とのことだったが、「今後は出力結果を参考にして、文章は自分で考えたい」と語った。