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実証事業に採択された34案件の事業者がそろい踏み! 世耕大臣もEdTechの重要性を強調――経産省「未来の教室」プラットフォーム キックオフイベントより(前編)

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2018/09/27 14:00

 人生100年時代にふさわしい新しい学びの在り方について、経済産業省が中心となって旗揚げされた「『未来の教室』プラットフォーム」。その始動にあたり、7月26日にキックオフイベントが開催された。記事の前編では、経済産業省の事業全体デザインの説明とともに、採択された各事業・事業者についての紹介をお届けする。

「未来の教室」実現のための教育プログラム・手法を実証

 世界でもまれな超高齢化社会の到来、IoTやAIといったテクノロジーの急速な進化など、「予測が不可能な時代」において柔軟に対応し、豊かな人生を送るためには、創造的な課題解決・解決力を身につけ、発揮していくことが不可欠だ。そのために大切な鍵をにぎると考えられているのが「教育」だ。

 次世代を担う人材の育成は国家的課題でもあり、経済産業省では人生100年時代にふさわしい新しい学びの社会システム「未来の教室」の実現を目標とし、議論を深めてきた。2018年の1月から6月に開催された各界の有識者による「『未来の教室』とEdTech研究会」では、議論と並行して教育現場の教職員や現役の中高生、大学生も参加したワークショップを開催。現場の意見を反映しながらまとめ、6月25日に第1次提言として発表を行った。今回のキックオフは、その提言に基づいた実証事業の第一次募集で採択された34案件の事業者が一堂に会し、「未来の教室」プラットフォームの始動を宣言するものである。

 イベントの冒頭ではプロジェクトを牽引する、経済産業省 商務サービスグループ 教育産業室長の浅野大介氏が「未来の教室」プラットフォームのキックオフの目的と役割について説明。「未来の教室」という旗印のもと、第一次募集で採択された事業者、および多くの関係者と意識を共有することが目的であることを強調した。

経済産業省 商務サービスグループ 教育産業室長 浅野大介氏
経済産業省 商務サービスグループ 教育産業室長 浅野大介氏

 そして、誰もが社会の課題や本質を見極め、創造的にそれらを解決する「チェンジ・メイカー」になっていく必要があること、教科主義と経験主義の二項対立に終止符を打って協力し合うことの重要性について語り、問題を提起した。そして「未来の教室」プラットフォームについて、「さまざまな関係者が垣根を越え、民間教育・公教育・産業界・先端研究・地域社会といった異分野の協働・交流を実践することで、新たな教育イノベーションを起こす『知恵の輪』としたい。そして、社会システム改革と全国的な運動論へと展開し、世界をベンチマークしながら日本の教育も考えていきたい」と意欲を語った。

 実証事業に期待されるのは、子どもたちの「ワクワク(意欲・志)」との出会いが核となり、STEAMに基づく「探究プロジェクト」と能力や環境に応じて個別最適化された「学習」が連携し合う、「新しい学びの形」の創出である。これを実現するために、実証事業では以下3つの類型に分け、2018年5月に第1次公募を開始し、7月17日に採択された。

  • 類型a:就学前~中等教育を対象とした「未来の教室」を実現するためのサービス・プログラム
  • 類型b:高等~リカレント教育を対象とした「現実の社会課題」を題材とした実践的能力開発プログラム
  • 類型c:リカレント教育を対象とし、産業界が抱える社会課題を解決するための能力・スキル開発を目的とするもの

 次に、「未来の教室」プラットフォームの事務局を受託するボストンコンサルティンググループの丹羽恵久氏から、採択事業者が紹介された。

ボストンコンサルティンググループ 丹羽恵久氏
ボストンコンサルティンググループ 丹羽恵久氏

 丹羽氏が「この場でも実証事業者同士がつながることで、新たなインキュベーションの場になるかもしれない」と評するほど、実証事業は多種多様な業種、サービス、対象にわたる。さらに一過性のものではなく、そうした異業種・異なる立場の組み合わせによるイノベーションが「普通に継続的に」行われるプラットフォームとなることを期待しているという。浅野氏も「今までありえなかった組み合わせで教育改革に挑戦していく」として、さまざまな連携例を紹介した。

 とはいえ、「人間の一生分の多彩な学びを創出する」という壮大な目標を担保するにはごく一部であり、第二次以降について今後も実証事業の募集を継続的に行う予定であることが紹介された。


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著者プロフィール

  • 伊藤 真美(イトウ マミ)

    エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

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