河合塾は、刊行する学校教員向け進学情報誌『Guideline』において、次期学習指導要領に向けた観点別学習状況の評価(観点別評価)の見直しに関するアンケート調査の結果を公開した。同調査は、全国の高校・中等教育学校の教員を対象に7月25日~8月8日の期間に行われ、158件の回答を得ている。
調査対象者に、自身の勤務する学校における過去3年間の観点別評価について、どう感じているかを尋ねたところ、「うまくいった」と「うまくいかなかった」がそれぞれ約50%と拮抗した。「うまくいった」と回答した教員からは、「主体性の評価・育成」の趣旨に一定の理解を示す意見や、「初年度と比較して評価ができた」といった意見が寄せられている。

観点別評価に課題を感じているかを尋ねた質問では、「課題を感じる」という回答が9割を占めた。教員からは、「どうしても主観的な評価になりがち」「5段階評価にするのが難しい」「各学校によってばらつきが出がち」といった意見が寄せられている。また、生徒の「育成」という観点で手ごたえを感じられないといった声や「大学進学のための調査書」への関連性を疑問視する声も挙がった。

次期学習指導要領で「主体的に学習に取り組む態度」を評定に直接反映させないという見直しについて、どう感じるかを尋ねたところ、「賛成」とする回答が83%に達している。
「賛成」の理由としては、「主体性を客観的に数値化することが難しい」といった評価方法の確立・評価規準の統一の難しさについての意見や、それによる「公平・公正な評価の難しさ」「評定平均値の変動」などの声が寄せられた。また、「まずは現場の仕事の総量を減らすべき」との意見も寄せられている。

一方、「反対」と答えた人からは「主体性育成の重要性・必要性」「うまくいかないからすぐやめるのでは現場が振り回されるだけ。評価できる指標作りを工夫すべき」といった意見や、「評定が下がると思われる生徒の存在」への懸念などを挙げる意見が寄せられた。
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