次世代ロボットエンジニア支援機構は、普通科高校生向けのロボット・AI教材「QUESTiX(クエスティックス)」を開発したことを12月2日に発表した。

同法人は、初学者の小中学生・高校生に対し、大型ロボットを使用したエンジニアリング教育を進めてきた。今回開発された「QUESTiX」はロボットキット・授業資料を含む教材で、普通科高校生がメインターゲットとなり、探究学習などに導入できる。
普通科高校でもロボットやAIといった先端技術に自らの手で触れる機会を作ることによって、より多くの高校生がテクノロジーを扱うことの楽しさ・魅力を体感できる。また、「QUESTiX」を使った学習を文理選択の前に実施することで、理工系への進学を希望する生徒の増加も意図している。
同教材およびこれを使った授業は、ロボット・AI分野の最前線で働く若手ロボットエンジニアや大学教員たちによって企画・制作された。ダイレクトドライブモーターをはじめとするスマートモーター、LiDARやカメラといったセンサー、シングルボードコンピュータ上で動くROS 2でのロボット制御基盤など、近年のロボットで用いられている要素を盛り込み、配膳ロボットと同程度の機能を学べる教材となっている。
本体は約60cm立方と大型で、5〜6名のチームで組み立てる必要がある。機械組み立て、制御回路の配線、プログラミングなどを生徒が分担して、チームで1つのロボットを完成させる。この体験を通じて、ものづくりに不可欠なチームワークを培える。
画像認識AIを自ら訓練する授業や、ChatGPTなどの生成AIを使って日本語の文章からプログラムを生成する授業も実施できる。最新のAIを積極的に活用して、テクノロジーを「自分でも扱える」と感じられる授業設計となっており、ロボット×AI分野への興味を促す。
同教材は、ロボットを使った対戦機能も備えている。柔らかいフリスビーをロボット同士で投げ合って相手ロボットを倒し合うという、ゲームのようなロボットバトルも体験できる。同法人が主催する大会「エンジニア選手権」への出場も可能となっている。
なお「QUESTiX」は、文部科学省「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」の2025年度採択校である京都橘高等学校に導入され、9月から授業が提供された。27名の生徒を5チームに分けて、9回の授業でロボットを各チーム1台製作し、最終日にはロボット同士を対戦させたという。
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