STEMとキャリアを学ぶワークショップ
GovTech東京は2023年に東京都が設立した一般財団法人で、東京都全体のDXを推進することを目的としている。2024年11月にはAIエンジニアの安野貴博氏をアドバイザーに迎え、AIを活用した行政サービスの効率化や都民の生活向上に取り組んでいる。

今回のイベントは、GovTech東京が新たに参画した公益財団法人山田進太郎D&I財団が取り組んでいる、中高生女子を対象とした「Girls Meet STEM」の一環となる。「デジタルの力で東京を便利に、AIを使ったワークショップに挑戦!~行政デジタル化に取り組む女性職員の話を聞いてみよう~」と題し、東京都のデジタル化の取り組みや女性職員との座談会、AIを体験するワークショップを通じて、将来のキャリアについて視野を広げる。
対象は中学1年生から高校3年生で、東京都だけでなく神奈川県など近県から10名ほどが保護者とともに参加した。

当日は、GovTech東京で働く女性職員と一緒に挑戦する「AIのワークショップ」、GovTech東京のオフィスツアー、女性職員との「キャリアをテーマにした座談会」の3つのプログラムが行われた。最初はやや緊張していた参加者だったが、プログラムが進むにつれ笑顔になり、自分のやりたいことについて語ったり、女性職員に進路について質問したりする様子も見られた。
「AIは何ができるのか」を知る
ワークショップの進行と講師を担当したのは、東京都の職員としてGovTech東京に勤務する涌田椋也氏。涌田氏はワークショップを開始する前に、東京都やデジタル技術に関するクイズを参加者に投げかけた。「世界で初めてプログラマーと呼ばれる名前の職業が生まれたのはいつか?」との問題では、「実は1840年代で、初めてのプログラマーは女性であった」という知識を伝えた。
ワークショップでは2~3人の班に分かれ、女性職員がファシリテーターを担当した。涌田氏は「AIでどんなことができるかを知る、実際に使ってみる、工夫してAIからの回答の変化を体験する」ことを今日の目標とし、楽しんでほしいと呼びかけた。

続いて、涌田氏はAIの歴史や概要を紹介。「AIは1950年代に始まり、技術の進歩によって、最近の生成AIなどに成長した」ことを話した。さらに「使い方によっては間違った情報を伝えてしまう」とし、「情報が正しいかを意識しながら使うことが大事」であることを強調した。