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イベントレポート(オンライン教育)

レノボと大阪教育大学が包括連携協定を締結、不登校の児童生徒をメタバースで支援

 レノボ・ジャパン(以下、レノボ)と大阪教育大学は、包括連携協定の締結を4月16日に発表した。同協定は、4月13日に同大学の天王寺キャンパスにオープンした大阪市との合築施設「みらい教育共創館」に設けられたオープンラボを通じて、レノボと大阪教育大学が教育・研究等の分野で協力し、先端技術の活用による教育課題の解決に資するとともに、Society 5.0に対応した教育現場の実現に貢献することを目的としている。本稿では包括連携協定の調印式の模様と、レノボが注力するメタバースを活用した教育について紹介する。

変化の激しい時代に対応するため協定を締結

 今年創基150年を迎える大阪教育大学は、設立以来、長きにわたり教員養成に携わっており、教員就職者数で全国トップレベルの実績がある。一方、レノボはGIGAスクール構想で小中学校に導入された約900万台の端末のうち200万台以上を占め、シェアNo.1となっている。

 このように教育分野で多くの実績を持つ両者が協力し、よりよい日本の教育の未来を検討するため、今回の包括連携協定の締結に至った。

 包括連携協定の内容は次の通り。

  1. 研究プロジェクトの共同推進に関する事項
  2. 先端技術を活用した教育環境の整備に関する事項
  3. 地域の活性化に関する事項
  4. その他、両者が必要と認める事項

 Society 5.0と呼ばれる現在、社会は予想を超えるスピードで変化しており、教育現場でも予測困難な課題に対応していく必要がある。大阪教育大学の学長を務める岡本幾子氏は「課題の解決に向けて、実践的な教員養成教育のさらなる強化に取り組むとともに、将来にわたって教育現場の高度化に貢献できる人材の育成を目指していく。そのためには産業界との密接な連携が必要不可欠であり、今回の包括連携協定を締結できることは非常に心強い」と述べた。

大阪教育大学 学長 岡本幾子氏
大阪教育大学 学長 岡本幾子氏

 また、レノボ・ジャパンの執行役員 副社長を務める安田稔氏は「GIGAスクール構想で端末の導入は進み、学校における情報通信の環境も整備された。しかし、利活用という意味ではまだまだ課題がある」と指摘。端末のリプレイスが行われる「NEXT GIGA」に向けて、より一層利活用を推進するため、さまざまなサービスを提供していくとした。

レノボ・ジャパン合同会社 執行役員 副社長 安田稔氏
レノボ・ジャパン合同会社 執行役員 副社長 安田稔氏

 特にレノボが注力するのは「STEAM教育」と「インクルーシブ教育におけるメタバースの活用」だ。STEAM教育ではインテルと連携し、教育委員会や教職員向けの研修を展開することで、STEAM教育や探究学習を進める学校現場を支援する。

 また、同社は「レノボ・メタバース・スクール(LMS)」というメタバースプラットフォームの提供を通して、不登校の児童生徒や外国語を母国語とした子どもたちの多様な学び方に対応し、それぞれのペースに合わせた個別最適な学びをサポートしていく。

 さらに、両者はデジタル人材育成のための取り組みも行っていく。みらい教育共創館の産学官連携拠点フロアに設けられたオープンラボに、デジタル人材育成を目指したスペース「Creative-Lab(クリエイティブ ラボ)」を設置。専門教員不足を補う遠隔授業システムやレノボ・メタバース・スクールのほか、高性能ワークステーション、3Dプリンタ、クリエイティブツールなど最新のデジタル機器を、学校関係者がいつでも体感できる場を提供する。これにより、1人1台端末の整備によって役割が変わりつつある、旧コンピュータ教室の新しいあり方も提案する。

Creative-Labで展示されている高性能ワークステーションとディスプレイ
Creative-Labで展示されている高性能ワークステーションとディスプレイ
みらい教育共創館は10階建てで、1~5階が大阪教育大学の施設、6~10階が大阪市の施設となっている(写真:大阪教育大学提供)
みらい教育共創館は10階建てで、1~5階が大阪教育大学の施設、6~10階が大阪市の施設となっている(写真:大阪教育大学提供)
レノボをはじめとした5法人が入居する5階のオープンラボ(写真:大阪教育大学提供)
レノボをはじめとした5法人が入居する5階のオープンラボ(写真:大阪教育大学提供)

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レノボが注力する「教育×メタバース」の可能性

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森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

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