はじめに
EdTechZine読者の皆さま、はじめまして。GMOメディア株式会社でプログラミング教室を紹介する「コエテコ byGMO」(以下、コエテコ)というサイトの責任者をしている沼田と申します。2021年、コエテコと株式会社アフレルは、女の子を対象とした体験型プログラミングイベント「KIKKAKE(きっかけ)~ガールズプログラミングフェス~」(以下、KIKKAKE)を初めて開催しました。
イベントにはコンセプトに賛同する事業者と保護者、お子さんの累計1500名以上が参加。SDGsの目標である「4.質の高い教育をみんなに」「5.ジェンダー平等を実現しよう」の実現に向け、有意義な取り組みができたのではないかと考えています。
本イベントは大変反響が大きく、おかげさまで2022年も6月に第2弾として開催する予定です。
本稿ではイベント開催に先駆けて、私たちが女の子のためのイベントを開催するに至った背景や実際の取り組みの紹介、今後のジェンダー平等に向けて我々事業者がどのようなアクションを起こせばよいのかについてお伝えできればと思います。
体験申込の8割超が男子! まだまだ男子寄りなプログラミング教育業界
コエテコは、子ども向けプログラミング教室のポータル・メディアサイトです。数年をかけて誠実に育ててきたポータルサイトは教室掲載数および口コミ掲載数でNo.1を獲得し、プログラミング教室をご検討中の保護者の方に向けて、有効な選択肢を提供できているのではないかと自負しています。
さて、私たちが常々気にしてきた数値があります。それは、コエテコを通じて体験申込を行っていただくお子さんの男女比です。
私は事業責任者として全国のプログラミング教室を自ら取材し、各教室の魅力や優れた取り組みを多々拝見してきました。そのような中で、事業者の皆さまは「女の子の入会が伸びない」と、口を揃えておっしゃっていました。
実際に、教室を見学しても生徒のほとんどは男の子で、「わずかな女の子の生徒はほかの女の子と時間を合わせる傾向があり、1コマに集中している」というお話を伺ったこともありました。
客観的な数値を示します。以下のグラフをご覧ください。こちらはコエテコの体験授業申込者(2022年3月)の性別を円グラフで表したものです。
データによると、体験申込者の81.8%が男の子で、女の子は2割にも満たないのです。小学校でプログラミング教育が必修化し、男女ともにプログラミングが基礎教養となる現代において、私たちは「この数値はまずい」という課題意識を強く持っていました。
そこでアフレルさんと共同で開催したのが、冒頭でご紹介したイベント、KIKKAKEというわけです。
さらにプログラミング教育は、2020年度から小学校での必修化を契機として、2021年度には中学校、2022年度からは高等学校でも拡充されており、教員の皆さまもプログラミングのコンテンツ作りに試行錯誤されているのではないでしょうか。
そこで、今回はプログラミング教育に携わる皆さまの参考になればと思い、次節以降で「女の子のプログラミング教育参加」という課題に対し、プログラミング教室でどのようなワークショップが行われたのかを紹介します。あわせて、女の子をプログラミングの世界に誘うためのアプローチについて検討していきます。