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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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未来の学校現場考──教員のサステナブルな働き方を考える

増加する教員の退職──「いつかまた戻りたい」と思える環境を作るには?

未来の学校現場考──教員のサステナブルな働き方を考える 第5回

 春は出会いと別れの季節。自身が3月末で退職を迎えたという方や、職場で退職者を見送ったという方も少なくないでしょう。滋賀県教育委員会は2024年12月、公立学校の若手教員の退職者が増加しており、その理由として「他の職業への転職」が急増していることを明らかにしました。[※1]また、東京都では2023年度に1年以内に退職した教員が169人に達し、全体の4.9%を占めたと報告されています。東京都教育委員会の集計によると、これは過去10年間で最多となり、そのほとんどが「自己都合」による退職で、転職など進路変更を理由に退職した人は3割にのぼります。[※2]そこで、近年の退職者の実際について、教員のキャリア支援事業を展開し、毎月100名以上の教員の相談に乗る株式会社クジラボ代表の森實泰司氏に話を伺います。

[※1]京都新聞「滋賀県の若手教員の退職者が急増、最も多い退職理由とは」2024年12月11日

[※2]朝日新聞「東京都の新任教諭、4.9%が1年以内に離職 過去10年で最多」2024年4月24日

株式会社クジラボ 代表取締役 森實泰司(もりざね だいじ)氏

 株式会社リクルートで採用コンサルタント、ITベンチャーで人事責任者経験後、人事コンサルタントとして独立。現在も人事顧問に従事するなど、教員をはじめ数多くの転職者として関わる。2019年に学校法人の事業を承継し私学経営を行うかたわら、2021年に教員のキャリア支援事業を行う株式会社クジラボを創業。ミッションは教育のオープン化。

教員を退職される方のリアルとは

──3月末で退職される方は、実際に増えているのでしょうか?

 クジラボへ相談に来られる方の中でも、退職を決断される方は増加傾向にあります。特に20代半ばの教員が多く、この層の約5割が退職を決断しています。相談者全体で見ても約3割の方が退職を決断している状況です。

 退職後の進路はさまざまですが、私立学校やフリースクールなどの学校関係、EdTech企業や教育関連NPOなど教育に関わる企業に転職をする方が多くなっています。そのほか、まったく異なる業種に転職される方も少なくありません。

──どのような理由で退職を決断されるのでしょうか?

 退職理由には、大きく分けて2つのパターンがあります。1つ目は「今のうちに外の世界を見てみたい」「それでも教員がいいと思ったらまた戻りたい」という、比較的ポジティブなものです。特に若手の間では「教員はいつでも戻れるから今のうちにチャレンジしておきたい」という意識が強まっています。2つ目は「このまま続けてもワクワクしない」「ワーク・ライフ・バランスが取れない」「管理職に期待できない」のように、現状に希望を持てずに辞めていくというケースです。

──退職者が増えているのには、どのような背景があると考えていますか?

 ネガティブな理由で退職する人の多くは、管理職に期待が持てず、現状の環境が変わる見込みがないと感じています。例えば、20代後半から30代前半の独身の先生が「便利屋」のように扱われることがよくあります。「独身だから自由がきくだろう」と業務を多く振られ、気づけば疲弊してしまうのです。

 また、教員は周囲にキャリア相談をしづらい環境にあるのもひとつの要因だと言えます。家族や同僚に相談しても、「辞めるのはもったいない」と言われがちで、結果として誰にも相談できないまま、退職を決断してしまう方が多いのです。

次のページ
学校組織のコンディションを把握できる仕組みを作る

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この記事の著者

津田 迪加(ツダ ユカ)

 公立小学校教員を11年経験後、教育の現場で培ってきた傾聴スキルや言語化スキルを生かし、フリーランスライター・編集者として活動中。株式会社クジラボに2021年創業時より携わり、教員向けイベントの企画・運営も行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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