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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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特集記事(ネットワーク・セキュリティ)

【自治体向け】文科省・デジ庁の「学校ネットワーク自治体ピッチ」に登場した事業者14社のサービスを比較

 2月17日、文部科学省とデジタル庁が主催する「学校ネットワーク自治体ピッチ」が、全国の教育委員会に向けてオンラインで開催された。GIGAスクール構想の第2期にあたる、端末活用の定着と通信ネットワークの整備のうち、特に大きな課題であることが指摘されている「学校のインターネット環境の改善」を目的として、ほぼ丸1日を費やすイベントとなった。本稿では、文部科学省、総務省、デジタル庁の関係者が登壇した、学校ネットワーク整備をめぐる現状と官民の取り組みに関する講演の模様と、すでにデジタル庁のWebサイトに動画でも公開されている、通信事業者14社が紹介したインターネット接続サービスの比較検討用の一覧表を取り上げる。今後の通信環境の改善の一助となれば幸いだ。

通信事業者14社のサービスを一覧で比較できるPDFを配布中

 学校ネットワーク自治体ピッチに登場した、通信事業者14社のサービスを一覧で比較できるPDFを配布しています。上の「14社インターネット接続サービス一覧表 」のリンクか、記事3ページ目からダウンロードしていただけます。なお、ダウンロードには「EdTechZine」の無料会員登録が必要です。(編集部)

GIGAスクール構想におけるネットワーク推奨帯域の達成率は2割にとどまる

 冒頭に登壇した、文部科学省 大臣官房学習基盤審議官の日向信和氏は主催者挨拶で、「GIGAスクール構想の本来の目的を果たすためには、端末整備だけでなく、それを支えるネットワーク環境が必要不可欠である」と述べ、現場のネットワーク基盤の整備が急務であることを強調した。また「本日のピッチをきっかけに、より多くの学校で最適な回線が導入されることを期待している」として、関係者の積極的な連携を呼びかけた。

文部科学省 大臣官房学習基盤審議官 日向信和氏
文部科学省 大臣官房学習基盤審議官 日向信和氏

4つの課題と改善に向けたアプローチ

 続いて、文部科学省 初等中等教育局学校情報基盤・教材課長の寺島史朗氏が登壇。「学校ネットワークの重要性と改善に向けた課題」をテーマに講演を行い、現在の推奨帯域(学校規模に応じた通信速度の目安)を満たしている学校は全体の2割程度にすぎないと指摘した。政府はこうした状況を踏まえ、「骨太の方針2024」にネットワークアセスメント(現状診断)の徹底と、結果に基づく改善策の実行を盛り込んでおり、令和7年度末までに全国の学校が推奨帯域を満たすことを目標に掲げている。

文部科学省 初等中等教育局学校情報基盤・教材課長 学校デジタル化PTリーダー 寺島史朗氏
文部科学省 初等中等教育局学校情報基盤・教材課長 学校デジタル化PTリーダー 寺島史朗氏

 寺島氏は、学校ネットワーク改善における主要な課題を4点に整理した。

(1)原因分析の不足

 ネットワーク不調の際に、校内LANなのか通信回線なのか、原因の切り分けが不十分である。これに対しては全校でアセスメントを実施し、ボトルネックを特定する必要がある。

(2)校内LANの整備不備

 無線LANの設置位置やルーターの性能不足が原因となるケースも多く、文科省はその改善に向け、補助金や地方財政措置を用意している。

(3)通信契約の最適化不足

 多くの学校が1Gbps(※)ベストエフォート型の回線を契約しているが、実効速度は300Mbps程度にとどまることが多い。特に大規模校では推奨帯域を下回ることが多いため、契約内容の見直しが必要である。

(4)専門人材の不足

 自治体のICT担当者に十分な知見がなく、事業者との交渉力が弱い。これに対し、文科省は『学校ネットワーク改善ガイドブック』を配布しており、活用が推奨されている。

※bps:Bit per Second、1秒あたりに通信可能なデータ量の単位

 寺島氏は、デジタル庁が公開している「教育DXサービスマップ」(詳しくは後述)に、「通信回線(ネットワーク)」の情報も掲載されていることを紹介し、「提供回線の比較・検討を進めてほしい」と呼びかけた。

次のページ
品質ガイドラインで通信の「見える化」を推進

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この記事の著者

野本 竜哉(EduOps研究所 代表)(ノモト タツヤ)

 情報工学修士。高校生時代に自身が1人1台の端末環境で学んだ経験を世に広げるべく、通信企業の学校SE、教育企業の管理職、教育系システム会社の執行役員を歴任し、一貫して教育×ICT領域の事業に従事。2024年8月に独立し「技術をやさしく伝える」をモットーとした教育現場の取材・執筆・情報発信活動の傍ら、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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