インターネットユーザー協会(MIAU)は、「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」の素案に対して、パブリックコメントを提出したことを2月7日に発表した。
MIAUは、おもにインターネット分野に対する立場からパブリックコメントを提出しており、その冒頭にて「本条例に反対する」と明言するとともに、「早期の結論は拙速との評を免れ得ず避けるべきである」と述べている。
パブリックコメントでは、前文、第1条、第2条、第4条、第5条、第6条、第8条、第11条、第12条、第18条について反論を展開しており、たとえば前文に対しては、インターネットやコンピュータゲームの過剰な利用が、子どもの学力や体力の低下のみならずひきこもりや睡眠障害、視力障害などの身体的な問題まで引き起こすことについては否定しないものの、過剰な利用が悪影響につながることは他のメディアにも言えることであり、またインターネットやコンピュータゲームの使いすぎが近年注目されるようになったのは普及の反映であり、「つかいすぎ」「あそびすぎ」は今に始まった問題ではないと訴えた。
また、同条例の策定根拠の1つとして挙げているWHOのICD-11における「Gaming disorder」にはインターネットが含まれていないにも関わらず、同条例の規制対象にインターネットが含まれていることに対して、客観的な理由の説明を求めている。
さらに、同条例の素案が親子の関係があることを前提として、そのあり方を説くような文面となっていることに対して、社会的な援護を要する人を除くかのような書きぶりは条例としての包摂性に欠けるとし、「社会全体で子どもがその成長段階において何事にも積極的にチャレンジし、活動の範囲を広げていけるように」という目的とも合致しないため「削除すべきだ」と述べた。
このように、MIAUの提出したパブリックコメントは、「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」に全面的に反対の立場をとる内容となっている。
なお、MIAUは「ゲーム依存」部分については、国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)がすでに公開しているパブリックコメントに賛同するという。
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