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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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イベントレポート(情報リテラシー)

AI時代を迎え、教科「情報」は何が変わる? 大学入試改革と芸術、教員養成の視点で識者が語る

「New Education Expo 2019」セミナーレポート


 6月6日~8日の3日間にわたり、「New Education Expo 2019」が有明の東京ファッションタウンビルにて開催された。2020年度の小学校新学習指導要領全面実施を控え教育現場の変革に関心が集まる中、会場は連日多くの来場者で賑わった。本稿では、会期中複数開催されたセミナーの中から、「AI時代に必要となる情報教育~段階的な情報活用能力の育成と大学入試における教科『情報』~」についてレポートする。

AI時代における「情報」教育とは

 現在何かと注目される「AI」。定義はさまざまながらもそのキーワードを聞かない日はないほどで、先日6月11日にも政府の統合イノベーション戦略推進会議が開かれ、人工知能(AI)技術を活用できる人材を育成する戦略案が検討されたことがニュースになったばかりだ。

 このセミナーでは、日経BP社 教育とICT Online編集長の中野淳氏がコーディネーターを務め、AI時代を迎え「情報」に関連する教育がどう変わろうとしているのかを整理し、芸術分野でAIを活用した面白い事例などが紹介された。

スピーカー

  • 東京学芸大学 副学長 松田恵示氏
  • 東京藝術大学 先端芸術表現科 教授 芸術情報センター長兼任 古川聖氏
  • 放送大学 教授 辰己丈夫氏

「情報」に関する教育は何がどう変わるのか?

 まずは、「情報」関連の教育内容がどう変わるのかという基本事項をおさえておこう。10年に1度のペースで改訂される学習指導要領は、2020年の小学校に続き、2021年に中学校、2022年に高等学校で順次新版が全面実施される。日経BP社の中野氏はまず、新学習指導要領実施に伴うプログラミング関連の学習内容を整理した。

日経BP社 教育とICT Online 編集長 中野淳氏
日経BP社 教育とICT Online 編集長 中野淳氏

 小学校ではプログラミングが学習に取り入れられることが明記され、中学校では「技術・家庭科」の技術分野でプログラミングに関する学習内容が増加する。また、高等学校では「情報科」の内容が、「情報I」「情報II」に再編され、「情報I」が必修となることにより、全ての生徒がプログラミングを学ぶことになる。

新学習指導要領におけるプログラミング教育(中野氏スライドより)
新学習指導要領におけるプログラミング教育(中野氏スライドより)

 では、大学入試はどう変化するのだろうか。2021年1月から、現在の大学入試センター試験(以下、センター試験)に代わり大学入学共通テスト(以下、共通テスト)が導入されることはすでによく知られているだろう。共通テストは、知識・技能だけでなく思考力、判断力、表現力を問う内容に転換する方針で、特に英語は4技能が評価の対象となり、大学側は民間試験の成績も活用できるようになることが注目されている。

 中野氏によれば、共通テストに「情報I」が出題されるのは、2025年4月に大学に入学する学生(現在の中学1年生)の試験からの見込みだ。また、コンピューターを利用した入試「CBT(Computer Based Testing)」の実施が検討されているという。

 放送大学の辰己氏は「情報」と大学入試の関係をさらに詳しく解説する。一般には混乱を招きやすい点だが、現在のセンター試験に「情報関連基礎」という科目があり、そこではすでにプログラミングも扱っている。ただしこの科目は、工業、商業、農業等の専門学科の生徒が「数学II・B」の代わりに受けることができるもので、受験者も少ない。出題の際のプログラミング言語には、DNCL(センター試験用手順記述標準言語)という日本語記述が含まれる独自言語が用いられている。

放送大学 教授 辰己丈夫氏
放送大学 教授 辰己丈夫氏

 2003年に「情報」科が高等学校に新設されて以降、「情報」がセンター試験の科目になったことはなく、独自に「情報」を試験科目に設定している大学も非常に少ないのが現状だ。情報処理学会では、これまでにさまざまな形で試験問題の検討等に関わっており、さらに、大学入試センターが2018年度に問題の素案を教員から募集したことなども知られている。2025年1月に見込まれる実施に向けて、今後の展開が注目されるところだ。

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芸術の世界での試み

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この記事の著者

狩野 さやか(カノウ サヤカ)

 株式会社Studio947のデザイナー、ライター。ウェブサイトやアプリのデザイン・制作、技術書籍の執筆に携わる。自社で「知りたい!プログラミングツール図鑑」「ICT toolbox」を運営し、子ども向けプログラミングやICT教育について情報発信している。著書に『見た目にこだわる Jimdo入門』(...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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