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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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イベントレポート(情報リテラシー)

生成AIの倫理的課題に教育はどう向き合うべきか? 有識者と学校関係者が考える

New Education Expo 2024「デジタル・シティズンシップ 生成AIの倫理的課題とELSIの観点から考える」レポート


 教育現場でも生成AIの有効活用が語られ、児童生徒向けのさまざまなツールも登場する中、倫理的な側面の議論はまだ十分とは言えない。2024年6月に開かれた「New Education Expo 2024」のセッション「デジタル・シティズンシップ 生成AIの倫理的課題とELSIの観点から考える」では、生成AIをデジタル・シティズンシップ教育の文脈で捉え、倫理的課題を考えるアプローチについてさまざまな意見が交わされた。

登壇者

  • 公立はこだて未来大学 システム情報科学部 教授 美馬のゆり氏
  • 岐阜聖徳学園大学 DX推進センター長 芳賀高洋氏
  • 茨城県教育庁 学校教育部 高校教育課 指導主事 中村圭吾氏
  • 茨城県立竜ヶ崎第一高等学校・附属中学校 校長 太田垣淳一氏
  • 茨城県立竜ヶ崎第一高等学校・附属中学校 亀田陽介氏

モデレーター

  • 一般社団法人メディア教育研究室 代表理事 今度珠美(いまど たまみ)氏

生成AIの課題について倫理的側面から教育を考える

 生成AIの倫理的課題と言ってもさまざまな側面があるが、そのひとつがバイアスの問題だ。AIは膨大な学習データをもとにしてできているため、その学習データが持つバイアス(偏見)も学習されている。生成AIの出力する言葉や絵などにはそれらのバイアスが反映されるため、その情報が例えば人種や性別などに関するバイアスを再生産しかねない。

 モデレーターの今度氏は冒頭で、「日本の教育現場での生成AIに関する議論は『いかに生成AIを活用するか』ということや『AIリスクから子どもを守る』『フェイクにだまされないように』などが中心になっている」と指摘。一方、アメリカのデジタル・シティズンシップ教材では、生成AIを扱う際にバイアスについて取り上げていることを紹介した。

今度珠美氏
今度珠美氏

 そして「人が主体となり倫理的にAIを使用していくために、教育ではどのようなアプローチが可能か」「公正な社会の実現に向け、私たちは社会に対しどのように責任を果たすのか」と、2つの問いを掲げてセッションをスタートした。

茨城県立竜ヶ崎第一高等学校・附属中学校が取り組む生成AIの授業

 まずは実際に生成AIの倫理的課題を扱った、茨城県立竜ヶ崎第一高等学校・附属中学校の授業事例が紹介された。茨城県では2022年度からデジタル・シティズンシップ教育に取り組み、2023年度からは多数の民間企業の協賛による茨城県デジタル・シティズンシップ教育推進事業をスタート。モデル校5校を指定して、幅広くデジタル技術を活用した課題解決活動に取り組んでいる。茨城県教育庁の中村氏は「子どもたちがデジタルの善き使い手、善き担い手になれるよう官民一体となって中高生を支援しています」と話す。

中村圭吾氏
中村圭吾氏

 その事業の一環として、指定校ではデジタル・シティズンシップの授業が行われ、竜ヶ崎第一高等学校では、情報の授業で「生成AIが私たちに与える影響」をテーマに、生成AIのバイアスに気づき、考えを深める授業が行われた。今度氏は各校の授業に研修や指導案の作成などで関わっている。

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生成AIが出力した画像に反映されるバイアスを実感

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この記事の著者

狩野 さやか(カノウ サヤカ)

 株式会社Studio947のデザイナー、ライター。ウェブサイトやアプリのデザイン・制作、技術書籍の執筆に携わる。自社で「知りたい!プログラミングツール図鑑」「ICT toolbox」を運営し、子ども向けプログラミングやICT教育について情報発信している。著書に『見た目にこだわる Jimdo入門』(...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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