「若年層に対するプログラミング教育の普及推進事業」について、平成29年にも実証プロジェクトを追加することとなり、66件の応募から公募事務局(株式会社電通)による外部評価のもと19の団体が決定した。可能な限り多くの都道府県を網羅して実施することや、手法、教材、メンター人材や主体の多様性などを鑑みての選出となっている。
19の団体による事業概要および意気込み(1)
[1]北海道/新潟県/神奈川県
オープンで探求的・総合的なプログラミング学習実施モデル(一般社団法人みんなのコード 代表理事 利根川裕太氏)
北海道教育大学付属札幌小学校/新潟県 田上町立羽生田小学校/神奈川県 横須賀市立田浦小学校など
「総合的な学習の時間」にも応用可能な教育モデルの開発と指導者育成を実施。平成28年度に北陸ブロックで開催した実証事業を強化し、対象を広げて比較しながら実施の予定。5時間から10時間に時間を拡大し、教員と意見交換をしながら実施モデルの策定を行う。「オープンな形で開催するので、ぜひ見学に来ていただきたい」(利根川氏)。
[2]山形県/宮城県仙台市
地域主体による自走的・持続的なプログラミング教育人材の育成と実証(株式会社サックル 三原雄大氏)
山形県 米沢市立松川小学校/仙台市立将監小学校など
「身の回りのプログラム探し」として、児童に校内散策を促すなどアンプラグドな手法でアプローチし、グループワークを経て学習用プログラミング言語Scratchにて再現。模造紙の上で発表するまでを行う。メンターは、教員・学生・放課後運営スタッフ・パソコンを学ぶシニアグループ(NPO)などから幅広く募集を行っており、児童および指導者の「プログラミング的思考力」の定量的・定性的評価のあり方等を検証する予定。
[3]青森県/福島県
栄養士と学ぶプログラミング講座(バーチャルクッキング)(タイムソフト合同会社 代表 古田和美氏)
青森県 五戸町立切谷内小学校/福島県 白河市立表郷小学校
「プログラミング de 食育」をテーマに、食育とプログラミング教育の融合を図る。栄養教諭を含む栄養士が指導者となり、調理とプログラミングの類似性に着目し、食育と組み合わせたプログラミング教育モデルを開発。「題材が児童にも親しみやすい“食べ物”なので、スムーズに授業に溶け込めると期待している」(古田氏)。
[4]栃木県/神奈川県川崎市
ビスケットによるプログラミング入門(合同会社デジタルポケット 代表 原田康徳氏)
栃木県 足利市屋内子ども遊び場「キッズピアあしかが」/神奈川県 二宮町立二宮小学校/神奈川県 川崎市立古川小学校など
日本で開発された教育用プログラミング言語Viscuit(ビスケット)を用いて、少数の指導者で多数の児童に対応可能な教育モデルを開発。ビスケットの指導者育成は既に毎月1回ずつ実施されており、修了生は250人を超えている。そうした既存のリソースを活用し、本事業では、その修了者によるメンター育成と実証講座を行う。