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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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イベントレポート(プログラミング教育)

講演とワークショップでプログラミング教育や生成AIについて学びを深める「明日会議2023」

「プログラミング教育 明日会議2023 GIGA端末の普段使い 明日の一歩」レポート

 小学校でのプログラミング教育が始まって3年が経ち、多くの学校でさまざまな授業が行われるようになった。2019年からプログラミング教育の推進のために活動してきた東京都プログラミング教育研究会は「プログラミング教育 明日会議2023 GIGA端末の普段使い 明日の一歩」と題し、教育関係者向けのイベントを8月4日に開催。イベントでは講演とワークショップが行われ、定番となったプログラミング教材の新しい実践や「Kahoot!」「Canva」といった近年注目されているアプリの活用法、さらには「ChatGPT」をはじめとした生成AIを教育に活用する意見交換の場も設けられた。本稿では、みんなのコードの代表理事である利根川裕太氏の基調講演を中心に、ワークショップの様子もあわせて紹介する。

夏休みに教員がプログラミング教育について学ぶ場

 「プログラミング教育 明日会議2023」を主催したのは、東京都国公立小学校教員と都内教育委員会の指導主事で構成された「東京都小学校プログラミング教育研究会(都小プロ研)」だ。同研究会は、プログラミング教育の推進・充実をはかることを目的に2019年4月に設立され、東京都教育委員会から東京都教育委員会研究推進団体として認定されている。

 今回のイベントは杉並区立方南小学校を会場に、一部オンライン配信によるハイブリッド形式で開催。みんなのコードの利根川裕太氏による基調講演と、プログラミング教育を推進・実践する教員のコミュニティType_T(タイプティー)による教員向けワークショップが行われた。なお、同日の午前中には、子ども向けプログラミングのワークショップも開催され、多くの小学生が参加したという。

 イベントの冒頭には、都小プロ研の会長を務める杉並区立方南小学校 校長の竪山浩人氏が登壇し「GIGAスクール構想で進むかと思えたプログラミング教育だが、現実はその手前である『1人1台端末をいかに使っていくのか』が、現場の第一の課題になってしまっている」と語った。

杉並区立方南小学校 校長/東京都小学校プログラミング教育研究会 会長 竪山浩人氏
杉並区立方南小学校 校長/東京都小学校プログラミング教育研究会 会長 竪山浩人氏

 その上で「最近は、教育における生成AIの取り入れ方が議論されており、先の見えない時代に入ってきている。これから先、プログラミング教育をどのような形で進めていくのか、1人1台の端末をいかに日常的に使っていくのかなど、対応しなければいけない課題は多い。今日の明日会議を、それらを考えるひとつのきっかけにしてほしい」と参加者に伝えた。

これからのプログラミング教育は「能力の定着化」がポイント

 続いて、みんなのコードの代表理事である利根川裕太氏が基調講演を行った。

特定非営利活動法人みんなのコード 代表理事 利根川裕太氏
特定非営利活動法人みんなのコード 代表理事 利根川裕太氏

 利根川氏は最初に、みんなのコードのビジョンである「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」について語りながら、日本の現状を解説した。「『誰もが』という言葉には大きな思いが込められている。経済環境や男女などの区別なく、誰もがテクノロジー教育を受ける機会を持ってほしい」と話した。

 みんなのコードでは全国の学校教育における実態調査を行っており、最新の「2022年度 プログラミング教育・高校「情報Ⅰ」実態調査」が8月に公開された。それによると「多くの教員は、2年前より着実にプログラミング教育に取り組んでいる反面、情報活用能力の育成については、現行の教育課程では不足感がある」という。さらに利根川氏は、小中高の連携を課題のひとつに挙げ、「これからは小中高の校種間で認識を合わせた上で、ただ『情報教育をやっている』だけでなく『ちゃんと能力として定着しているのか』が、より求められる」との見解を語った。

みんなのコード「2022年度 プログラミング教育・高校「情報Ⅰ」実態調査」結果の一部
みんなのコード「2022年度 プログラミング教育・高校「情報Ⅰ」実態調査」結果の一部

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小学校でも安全に使える「生成AI」教材による授業を展開

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この記事の著者

相川 いずみ(アイカワ イズミ)

 教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、プログラミング教育やICT教育、中学受験、スマートトイ、育児などの分野を中心に、取材・執筆を行っている。また、渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足し、地域の子ども達に向けたプログラミング体験教室などを開催している。一児の...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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