石川県の加賀市教育委員会は、「Be the Player」をスローガンとして掲げた学校教育ビジョンを発表し、「自分で考え 動く 生み出す そして社会を変える」子どもたちの育成に向けて、2023年4月に新体制を始動している。
加賀市は、子どもの「今」も「未来」も幸せにすべく、well-beingを実現する学びの改革として「加賀市学校教育ビジョン」を発表。具体的には、以下の4つのプロジェクトを実行する。
- PROJECT 1:学びを変えるプロジェクト
- PROJECT 2:誰一人取り残さないプロジェクト
- PROJECT 3:未来は自分で創るプロジェクト
- PROJECT 4:地域と一緒にプロジェクト
「学びを変えるプロジェクト」としては、個々のスピードに合わせて自分のペースで自分で学ぶ、沢山の人と対話して助け合ってともに学び合う、1人1台のパソコンをフル活用して空間デザインも工夫し、好奇心・夢中であふれる、もっと自由なクリエイティブな教室にすることで、そろえる教育から1人ひとりを伸ばす教育へ転換していく。
「誰一人取り残さないプロジェクト」では、学校に気持ちが向かなくなってしまったときに、教室や学校以外でも安心して過ごせる場を作る。教育支援センターの移設・リニューアルを進め、必ず一人ひとりに支援が届くような仕組みを、科学的視点も入れつつ発達支援が必要な子どもにとって、よりよい教育環境・支援につなげる環境を作る。
「未来は自分で創るプロジェクト」としては、さまざまなバックグラウンドを持つ大人たちと一緒に学び、実社会・ホンモノに触れて探究する。加賀の強みであるプログラミング・先端テクノロジーを生かして、小中9年間一貫型のSTEAM教育プログラムに刷新し、課題解決型・探究型学習を進める。
「地域と一緒にプロジェクト」では、全校をコミュニティスクールにして、地域と一緒に子どもたちを育てる環境を作る。休日の中学校部活動から段階的に地域移行を進め、学校と保護者間の連絡手段をデジタルアプリ化する。
そのほか、同ビジョンを構造化・具体化して実現までの道筋をつけるための役割として、4月から新たに政策官を設置した。また、学びの改革に挑戦する学校を支援し、授業改善に取り組む教師に伴走する役割を担う教育推進プロジェクトマネージャーを、前年度の1名から3名に増員している。
新たに設置された政務官は、以下の業務を担当する。
- 小中学校におけるSTEAM教育、プログラミング教育のカリキュラム設計、企業や大学、地域など市内小中学校とのSTEAM教育などに関する連携先の確保、学校での授業展開に必要な条件整備の検討・交渉
- デジタルシティズンシップ教育、コンピュータサイエンス教育に関するカリキュラム設計
- 学習eポータルやMEXCBTの活用を含む学びのDX化、教育データ利活用・データ連携に関すること など
プロジェクトマネージャーの役割は以下の通り。
- 個別最適な学び・協働的な学びの一体的な充実に向けた市内小中学校伴走支援、研修会の企画立案・実施
- STEAM教育をはじめとする探究的な学びを実現するための学校伴走支援、研修会の実施 など
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