スプリックス教育財団は、日本を含む世界10か国の小学4年生および中学2年生相当の子どもと保護者を対象に、「基礎学力と学習の意識に関する保護者・子ども国際調査2025」を実施した。今回、同調査において、子ども自身が将来希望する学歴と保護者の期待を比較した結果を1月15日に発表した。
同調査は、アメリカ、イギリス、フランス、中国、南アフリカ、ペルー、エジプト、インドネシア、ネパール、日本にて2025年4月〜8月の期間に行われた。小学4年生1475名およびその保護者1158名、中学2年生1090名およびその保護者884名から回答を得ている。また同調査では、子ども自身の学力・進学希望と、子ども自身の学力、保護者が子どもに期待する学歴を国際比較し、進学希望と本人の学力や保護者の意識の影響を明らかにすることを目的としている。
調査対象者のうち小学4年生に希望する最終学歴を尋ねたところ、日本では「未定」(44%)という回答が他国よりも多い。

子ども自身が希望する最終学歴について、日本と、インターネットパネル調査の5か国(アメリカ、イギリス、フランス、南アフリカ、中国)、日本以外の学校調査の5か国(ペルー、エジプト、インドネシア、ネパール)の3グループに分けて分析したところ、日本では「未定」が突出して多い。また日本では、大学や大学院への進学を希望する割合(大学30%、大学院5%)が少ないようにみえる。
しかしながら、「未定・わからない」の回答を除くと、日本の小学4年生が大学以上への進学を希望する割合は62%(大学53%、大学院9%)となる。2024年時点の日本の大学進学率(59%)と、大きな差はみられない結果となっている。
そのほか、日本の小学4年生が大学や大学院への進学を希望する割合(大学30%、大学院5%)は、パネル調査5か国の86%(大学50%、大学院36%)や学校調査5か国の60%(大学29%、大学院31%)と比較すると、特に大学院への進学希望が低い。

保護者に、自身の子どもをどの学校まで進学させたいと考えているかを尋ねたところ、日本は「未定・わからない」(23%)が他の国と比較して多い傾向にある。
「未定・わからない」を除くと、大学までの進学を期待する保護者は77%に達し、他国の保護者(パネル5か国47%、学校4か国31%)よりも多い。
また、大学院まで進学することを期待する保護者は、他の国と比較すると非常に少ない結果となっている。

続いて大学院への進学について、保護者自身の最終学歴と子ども自身の希望、保護者の期待を比較したところ、日本以外の国では、保護者の最終学歴よりも子ども自身の希望、さらに保護者の期待が高くなる傾向がみられる。
日本では、保護者の最終学歴と子ども自身の希望がほぼ同水準であるものの、保護者の期待は大きく下回っている。さらに日本の保護者は、大学院進学への期待がより控えめとなる傾向がみられた。

次に、子ども自身が大学以上への進学を希望する割合と、計算テストの正答率を組み合わせて分析した。その結果、日本、パネル調査5か国、学校調査5か国いずれも、学力が高いほど大学以上希望率が高い傾向がみられる。ところが日本では、学力上位層でも大学以上希望率が76%に留まっており、パネル調査5か国の上位層(96%)を大きく下回る。
学力下位層でも同様の傾向がみられ、日本(50%)はパネル調査5か国(74%)と比較して低い結果となっている。
なお、日本においても、学力が高い子どもほど高学歴を希望する傾向はある。しかしながら、成績上位層でも約4分の1は大学や大学院への進学を希望しておらず、海外と比べると低い。

次に、保護者が自身の子どもの将来に期待する項目と、大学以上への進学を期待する割合について、その差を分析した。日本における上位3項目のうち、「他人に迷惑をかけない人」または「友人を大切にする人」を選択した保護者は、選択しなかった保護者よりも大学以上への進学を期待する割合が10ポイント以上低かった。
一方、他の国の保護者がより重視する「社会のために尽くす人」または「リーダーシップのある人」という項目について、日本でこれらの項目を選択した保護者は、選択しなかった保護者よりも大学以上への進学を期待する割合が高い。これは、他の国の保護者でも同様の傾向となっている。

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