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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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イベントレポート(EdTech動向)

「Next GIGA」はどこへ向かうべきか? 多様な立場の有識者が課題と展望を考える

「GLOCOM x Lenovoが考えるデジタル社会の学び ~これからの学びを支えるNext GIGAを展望する~」レポート

 2月11日、レノボ・ジャパンによるセミナー「GLOCOM x Lenovoが考えるデジタル社会の学び ~これからの学びを支えるNext GIGAを展望する~」が開催された。教育現場や自治体、企業など、GIGAスクール構想の準備から現在までに立ち会ってきた有識者が、それぞれの立場からこれまでを振り返り、未来の学びに向けた展望とともに、次の段階である「Next GIGA」への課題について語った。同セミナーは、2022年10月に発足した、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)の研究ラボ「FuLL(Future Learning Lab)」協力のもと、秋葉原UDXシアターの現地会場とオンラインのハイブリッド形式で開催された。

この2年間を振り返り「Next GIGA」を考える

 最初に、主催であるレノボ・ジャパン合同会社 エンタープライズ事業部長の西本貴憲氏が登壇し、開催のあいさつをした。

レノボ・ジャパン合同会社 エンタープライズ事業部長 西本貴憲氏
レノボ・ジャパン合同会社 エンタープライズ事業部長 西本貴憲氏

 西本氏によると、GIGAスクール構想によって小中学校に導入された約900万台の端末のうち、レノボ製の端末は約210万台を占め、シェアNo.1となった。その上で「責任の重さとともに、端末管理や指導する教員、児童生徒の使い方など、多岐にわたる課題があることを痛感している」と話した。特に大きな課題とされているのは「端末を利活用し『文鎮化』させないこと」と指摘。「今日は登壇者と一緒に、これまでの振り返りと、今後の利活用に向けたNext GIGAへの展望についてディスカッションしていきたい」とまとめた。

GIGAスクール構想で導入された端末におけるレノボのシェア
GIGAスクール構想で導入された端末におけるレノボのシェア

1人1台端末は子どもたちの文房具となったのか?

 次にオープニングキーノートとして、今回のセミナーの企画協力を行った国際大学GLOCOMの主幹研究員・准教授であり、FuLLの主宰を務める豊福晋平氏が登壇し、Next GIGAに向けてGIGAスクール構想の現状を解説した。

国際大学GLOCOM 主幹研究員・准教授/FuLL主宰、デジタル・シティズンシップ教育研究会 共同代表理事 豊福晋平氏
国際大学GLOCOM 主幹研究員・准教授/FuLL主宰、デジタル・シティズンシップ教育研究会 共同代表理事 豊福晋平氏

 まず、豊福氏は「ICTは本当に子どもたちの文房具になったのか」という問いを会場に投げかけた。2022年11月に文部科学省が発表した「令和4年度全国学力・学習状況調査」の結果によると、GIGAスクール構想で整備された端末、いわゆる「GIGA端末」をほぼ毎日授業で活用する割合は、小学校・中学校とも5割を超えるが、毎日児童生徒同士でやり取りをする機会となると、小学校で3割、中学校では2割と大きく下がる。さらに、毎日端末を持ち帰りする割合については、小学校の最低値が0%という結果になっていることを挙げ、「厳しい数値」と指摘した。

 その上で「これらの差がもたらす影響は、子どもたちの学習機会の格差にそのままつながっていく」と警告し、「こうした格差だけでなく、自治体や学校、学級、家庭においてさまざまな利用上の制約が課せられているが、それらは本当に正当なものなのか」と切り込んだ。

 豊福氏が主宰するFuLLでは、2022年10月に「デジタルと学びの明日を展望する – 2030年代の学びの生態系とは何か」と題したシンポジウムを開催し、有識者とともにテクノロジーと学びの新しいあり方を検討した。その中でFuLLは「テクノロジー×子ども・メディア・社会」を切り口に、「PLAY」「SHARE」「CONTRIBUTE」の3つのキーワードを、これからの学びにおけるひとつの目標として提案したという。

FuLLが提案する3つのキーワード
FuLLが提案する3つのキーワード

 最後に豊福氏は「今日は皆さんと一緒に考えて、未来のワクワクを共有する1日にしていきたい」と伝え、キーノートを締めくくった。

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自治体・民間それぞれの立場からGIGAスクール構想に携わった4人が登壇

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この記事の著者

相川 いずみ(アイカワ イズミ)

 教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、教育におけるデジタル活用を中心に、全国の学校を取材・執筆を行っている。渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足しプログラミング体験教室などを開催したほか、シニア向けサポートを行う渋谷区デジタル活用支援員としても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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