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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

次回のオンラインセミナーは鋭意企画中です。準備が整い次第、お知らせいたします。

EdTechZineオンラインセミナー

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低学年でもできますよ! 誰でも簡単GIGA端末活用術 Chromebook編

Chromebook「描画キャンバス」のレイヤ機能を活用! お絵描きアプリでコンピューターならではの表現に挑戦しよう

低学年でもできますよ! 誰でも簡単GIGA端末活用術 Chromebook編 第7回


 GIGAスクール構想により、1人1台端末が実現しました。これまで特別な存在だったコンピューターが当たり前の文房具として使われ始めています。しかし、実際の学校現場でうまく活用できているか、不安を感じている先生も多いのではないでしょうか。特に小学1年生や2年生は、そもそもコンピューターの操作ができないと思われがちです。ですが、そんなことはありません。できることはたくさんあります。本連載では、低学年担任ならではの問題や困りごとを解決する実践を、「低学年でもできますよ!」を決め台詞に紹介していきます。今回も「お絵描きアプリをどう授業で使えばよいのかわからない」という問題を、簡単な操作のみで解決する実践を紹介します(全3回シリーズの最終回)。

はじめに

 前々回から前編中編と「描画キャンバス」を使った実践を紹介していますが、今回はいよいよ最後となる後編です。デジタルスクラッチアート(前回第6回記事参照)でも少し使った「レイヤ機能」をフル活用した実践を2つお届けいたします。

レイヤ機能

 レイヤ(レイヤー)は「層」という意味で、透明なフィルムのようなものを何枚も重ねて1枚の絵を完成させる機能です。線と色、キャラクターと背景などを別々のレイヤに分けて描いておくと、簡単に修正したり、大きさや位置を変更したりすることができます。

 例えば、このクローバーの絵は「線のレイヤ」と「色のレイヤ」が別になっていて、それらが重なって1つの絵に見えているということです。

「線のレイヤ」と「色のレイヤ」が分かれている
「線のレイヤ」と「色のレイヤ」が分かれている

 また、レイヤは「目」のボタンで表示・非表示を切り変えたり、十字矢印ボタンで移動・拡大・縮小をしたりすることが可能です。

表示・非表示の切り替えと移動・拡大・縮小 表示・非表示の切り替えと移動・拡大・縮小
表示・非表示の切り替えと移動・拡大・縮小

 また、レイヤごとに加筆・修正が可能です。以下の例では背景色は消えずにワカメだけが消えていますね。

ワカメを描いたレイヤにのみ消しゴムを使った例
ワカメを描いたレイヤにのみ消しゴムを使った例

デジタルだから成せるワザ! レイヤを使いこなして気分はイラストレーター!「デジ絵」入門

「デジ絵」とは

 パソコンやタブレットなどの機器を使って描いた絵、デジタルイラストのことを、ここでは「デジ絵」と呼んでいます。通常、デジタルイラストの制作にはレイヤ機能が使われています。

「デジ絵」
「デジ絵」

使用アプリ

  • 描画キャンバス(詳しくは第1回第5回記事参照)
描画キャンバスのアイコン
描画キャンバスのアイコン

展開

(1)課題設定

先生
「画用紙いっぱいに大きく絵を描きましょう!」という場面で、気づいたらとても小さくなっていたり、思っていたことと違っていたり……といったことはありませんか。そんなとき、描いた絵の大きさを変えたり、場所を動かしたりできればいいですよね。このような困りごとはコンピューターが解決します。今回のめあては「レイヤを使って『デジ絵』を描こう」です
「デジ絵」の課題設定とめあて 「デジ絵」の課題設定とめあて
「デジ絵」の課題設定とめあて

(2)背景色

 「新しい図形描画」から始めて、背景色を決めましょう。レイヤの一番下にあるペンキのボタンから色を選ぶことができます(はじめは白に設定されています)。

レイヤの背景色を選ぶ
レイヤの背景色を選ぶ

(3)背景

 次に背景を描いていきます。あとから順番を変えることもできますが、基本的には後ろにあるものから描くようにしてください。道具は「チョーク」がおすすめです。

 1つのレイヤに描くのではなく「岩のレイヤ」「ワカメのレイヤ」など、種類ごとにレイヤを追加して描きましょう。1つの絵のように見えますが、それぞれのレイヤが重なってできています。

背景も種類ごとにレイヤを分けて描いていく
背景も種類ごとにレイヤを分けて描いていく

(4)主役・準主役・モブ等

 背景と同様に、キャラクターごとにレイヤを追加して描いていきましょう。ここでは大きさなどはあまり気にせず、適当に配置しましょう。キャラクター同士が重なっていても大丈夫です。

キャラクターもレイヤを分けて描いていく
キャラクターもレイヤを分けて描いていく

(5)構図

 役者がそろったらいろいろな配置を試しましょう。描いた絵を動かせるのはコンピューターだからこそです。大きさや角度を変えながら構図を決めましょう。

キャラクターの配置を変える
キャラクターの配置を変える

(6)画像として保存

 構図が決まったら画像として保存しましょう。その後、違う配置にして保存することもできるので、何パターンでもつくることができますよ。

描いた作品を画像として保存
描いた作品を画像として保存

(7)鑑賞会

 おなじみのテントモードにすれば、その場ですぐに相互鑑賞をすることができます。

作品を見せ合うことができる 作品を見せ合うことができる
作品を見せ合うことができる

(8)まとめ

 以下のことを学習のまとめとして押さえましょう。

  • レイヤの使い方
  • アニメやポスターも同じ仕組みでできていること
  • 身の回りには工夫がいっぱいあるということ

【ちょいタシ】実物作品

 レイヤの概念を使って実物作品もつくりました。イメージスケッチ(第5回記事参照)の発展形として、イメージを固めるためのシミュレーションに「デジ絵」を活用するのもおすすめです。

紙に描いて切り取り、重ねることで実物作品に 紙に描いて切り取り、重ねることで実物作品に
紙に描いて切り取り、重ねることで実物作品に

【ちょいタシ】自由制作

 デジ絵の描き方がわかったら自由制作も行いましょう。自由につくる場を設定することで、身につけたスキルのさらなる定着を図ることができます。

自由制作で子どもたちの発想がひろがり、スキルも身につく 自由制作で子どもたちの発想がひろがり、スキルも身につく
自由制作で子どもたちの発想がひろがり、スキルも身につく

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対象と手元を同時に見る!! 新時代の写生体験!「超写生」

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この記事の著者

林 孝茂(ハヤシ タカシゲ)

 兵庫教育大学附属小学校教諭。兵庫教育大学大学院学校教育研究科修士課程在籍。ICT夢コンテスト2020優良賞受賞。Type_T(とにかくやってみるプログラミング教育ティーチャーズ、NPO法人タイプティ)メンバー。著書に『逆引き版 ICT活用授業ハンドブック』(共著、東洋館出版)、『事例と動画でやさし...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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