編集部注
肩書はすべて2022年3月時点のもので、4月の異動・退職等により一部の方は現職と異なっています。
「Google 認定教育者」取得に向けた学びを校内研修に
今回紹介する甲府市立石田小学校は甲府市の南部に位置する、6学年・全13クラスの中規模校だ。45年前の開校当時は1000人近くいた児童数も近年の少子化を受けて減少し、現在は250人ほどだという。
同校がChromebook導入時に行った大きなチャレンジが「校長以下全教員が、Google 認定教育者の取得を目指して勉強する」という取り組みだ。2021年度まで同校の校長を務めていた雨宮氏は「本校はこれまでパソコンルームの稼働率が低く、『全国学力・学習状況調査』においても『ICTの活用頻度が低い』との回答が多かった。この課題が、2021年度のICT活用推進に向かうひとつのスタートになった」と、その経緯を話す。数年前に前任校の山梨大学教育学部附属小学校でフィンランドの教育現場を視察した雨宮氏は、海外の先進的なICT活用を目にし「日本の教育もこうなるのでは」と感じていたという。
またChromebookの導入に先駆けた2020年時点で、同校の堀教諭が独自にGoogle 認定教育者 レベル1の取得に向けて勉強し、資格を取得したことも大きかった。堀教諭は取得を目指したきっかけについて、次のように話す。
「学校現場にとっては未知の『GIGAスクール構想』が始まること、そして導入されるChromebookも、どのようなものがわからないという『困り感』が学校全体にあった。そこで校内研修の時間を使って、少しでも先生方にChromebookやGoogleアプリを使っていただけるような環境整備をしたいと考えた」(堀教諭)
そして、受験のためにGoogle for Educationについて学んでいく過程で「大きな特徴とされている、多人数で同時に作業できる共同編集機能に魅力を感じた」という堀教諭は、「『ChromebookやGoogleアプリをどう使ったらよいかわからない』という教員全体の課題を解決するには、資格取得の経験こそが役に立つのでは」雨宮氏に進言した。
「全員が試験を受けるとなると、先生方の協力なしではできない。まずは雨宮校長や管理職の先生方、学年主任、情報主任の川村先生などに集まっていただき、『このような方向性でやってみたい』ということを、熱意をもって伝えた」と堀教諭は話す。この熱意が伝わり、学年主任の承認が得られたことで、2021年4月に教員全員へ告知を行い、校内研究の時間を「Google 認定教育者 レベル1取得のための研修」と設定。資格取得に向けた取り組みがスタートした。