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「ICT活用には教員の適正ではなく意欲が必要」子どもの可能性を引き出す~宝仙学園小学校の挑戦

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2018/04/06 14:00

 東京都中野区に位置する宝仙学園小学校は、今年創立65周年を迎えた伝統のある私立小学校だ。建学者である宝仙寺住職による「寺院は教育の源泉」という精神は、現在も学園に受け継がられている。その一方で、ICTを積極的に活用した新しい授業を提唱し、2016年開催の「ICT夢コンテスト2016」ではNHK賞を受賞するなど、確実な成果を上げている。宝仙学園小学校(以下、宝仙小)では、どのようにしてICT教育の芽を育んできたのだろうか。宝仙学園の吉金佳能教諭と加藤朋生教諭に詳しい話を聞いた。

宝仙学園 研究主任・情報化主任の吉金佳能(よしかね・かのう)教諭【左】と、<br />    宝仙学園 研究副主任の加藤朋生(かとう・ともお)教諭【右】。
宝仙学園 研究主任・情報化主任の吉金佳能(よしかね・かのう)教諭【左】と、
宝仙学園 研究副主任の加藤朋生(かとう・ともお)教諭【右】。

ICT機器を導入しただけでは授業は変わらない

 「ICT夢コンテスト2016」でNHK賞を受賞した吉金教諭は、理科の専科教員として、宝仙小に11年間勤務。2017年からは情報化委員会の主任を兼任し、ICT機器の導入から管理、運用までを担っている。

 「これまでの教材に使われていたDVDやCD、ラジカセといったものを、徐々にデジタル教材へと移行させている」と話す吉金教諭だが、実はICTについては、もともとはそんなに好きではなかったという。

 「電子黒板や実物投影機など、これまでのICT機器は、教師が教えるためのツールでした。正直、それだけでは、授業が変わるイメージができませんでした」

 そんな折り、授業支援ソフトの「ロイロノート・スクール」に出会い、大きな衝撃を受ける。

 「『これなら授業が変わるな!』と思いました。ロイロノートは、授業中に児童が実験の動画や静止画を撮影して、保存や共有ができる。発表にも適していて、理科の授業と非常に相性が良かった。2014年の1月にロイロノートのユーザー会で初めてアプリに触れて、翌月にはもう校内で体験会を実施していました。その手ごたえを感じ、3か月後の新学期に『Windowsタブレット』を12台導入しました」(吉金教諭)

ロイロノート・スクールの画面。写真や動画なども簡単に共有できる。
ロイロノート・スクールの画面。写真や動画なども簡単に共有できる。

 その後、ロイロノート・スクールは、理科だけでなく国語や体育など、多くの授業で活用されるようになった。

 「タブレットは児童自身が学ぶツール、つまり学習者が主となるツールです。でも、タブレットや電子黒板があるだけでは変わらない。教員が、自分の授業で『児童たちが使うシーンがイメージできること』によって初めて変わる。そうすれば、児童たち自らがタブレットという道具を、どんどん進化させていきます」(吉金教諭)

宝仙小のICT導入までの歩み

 現在、宝仙小には電子黒板(IWB)のほか、大型ディスプレー、実物投影機などが全教室に設置されている。さらに、iPadやWindowsタブレットあわせて全185台のタブレットが児童用・教師用として稼働している。

 現在はかなりそろっているICT機器だが、導入はスモールステップで少しずつ台数を増やしていったという。吉金教諭によると、最初はタブレットも学内に数台しかなかった。2014年にタブレットを12台導入し、その後に約25人の教職員全員に1台ずついきわたるよう増やしていった。2016年にタブレットの本格導入を始め、2016年に76台、翌2017年には85台を導入した。

 機器を導入するにあたっては、それが本当に必要な機材か、児童や学校に合っているかどうかを検討するのも、吉金教諭らの担当だ。

 「ICT機器や教材は次々と新製品が登場するので、一時期は毎日のようにメーカーの担当者と実際に会って、製品やサービスの話を聞いていました。その教材が未来を見据えて作られているか、そして企業がきちんとバックアップしてくれるか。さらには、学校を盛り立ててくれる、学校と一緒に成長してくれる企業かどうかは、会って話せばわかってきます」(吉金教諭)


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著者プロフィール

  • 相川 いずみ(アイカワ イズミ)

    パソコン週刊誌編集部を経て、現在はフリーランスの編集/ライターとして、日本政府広報誌から教育雑誌まで幅広く執筆中。教育分野においては、デジタル育児やICT教育、中学受験などを得意とする。また、親子で学ぶ楽しさを追求する『コド研。』を設立し、親子向けワークショップなどを開催。小学生の息子とともに、最新...

  • 斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

    CodeZine/EdTechZine編集部 編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。2005年6月の正式オープン以来、ソフトウェア開発専門のオンラインメディア『CodeZine(コードジン)』の企画・運...

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