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イベントレポート(アダプティブラーニング)

不登校でも自宅でICT教材を使って勉強し、出席扱いになる制度とは?

「出席扱い制度説明会/HSCな子の関わり方講座」レポート【第1部】


 ゲーム感覚で一人ひとりの理解度に合わせて進めることができる、対話型のICT教材「すらら」を提供する、すららネット。学習のオンライン化が進むにつれ、全国の学校や学習塾、家庭学習において活用が広がっており、近年では不登校児童生徒の学習にも活用されているという。そうした経緯から、すすらネットは保護者を対象に、「不登校生の出席扱い制度説明会/臨床心理士によるHSC(敏感)な子の関わり方講座withコロナ編」を9月9日にオンライン開催した。第1部の「出席扱い制度説明会」では、不登校で学校を休んでいても自宅学習により出席扱いとされる制度について、「すらら」を活用した場合の具体的な事例を交えて解説された。

子どもの自己肯定感の回復が目的――「不登校による出席扱い制度」を活用

 2018年より、すららネットで立ち上がった「子どもの発達支援室」には、ほぼ毎日、家庭学習における親子の関わりについての問い合わせが寄せられている。社内の臨床心理士を中心に、子どもの気持ちへ目を向けた活動に力を入れているという。

 すららネット 子どもの発達相談室 室長を務める佐々木章太氏は、同社が不登校生の学習支援に乗り出したきっかけとして、ある少年のケースを紹介。中学は「すらら」での家庭学習で出席扱いとなり、高校から学校に復帰して、テストで満点を取るほどになったという。「自信を取り戻せたのは、単に勉強を続けていたということだけでなく、大人がそのがんばりを評価していたということがあった」と語る。

株式会社すららネット 子どもの発達相談室 室長 佐々木章太氏
株式会社すららネット 子どもの発達相談室 室長 佐々木章太氏

 そして、すららネットは「子どもの学習について、悩みの深い家庭と向き合う会社」として、学習速度に適応できない子どもの学習に悩む保護者に対し、1つの解決方法として無学年方式を採用したオンライン教材を提案してきた。

 「出席扱い」とは、「不登校児童生徒が学校外の施設において指導等を受けている場合、これらの児童生徒の努力を学校として評価し支援するため、我が国の義務教育制度を前提としつつ、一定の要件を満たす場合に、当該施設において指導等を受けた日数を指導要録上『出席扱い』とすることが可能」(文部科学省)というものだ。この出席扱いを満たすためには、以下3つのポイントが必要となる。

  • 【1】文科省が定義する「不登校」に該当していること
  • 【2】文科省の要件を満たした「状況」と「学習教材」であること
  • 【3】学校が定義する「1日の出席条件」を満たすこと

 平成17年の文科省からの通達に「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」として記載があり、令和元年10月に改訂版が出ている。文科省のWebサイトには関連資料がPDFとして用意されており、閲覧が可能だ。その中の別記2の中に「出席扱い等の要件」として記載がある。その内容を要約すると次の通りとなる。

  • 対象は小学生から中学生まで(高校は含まない)
  • 学校復帰を円滑化することを目的とした要件定義

 制度適用の利点は大きく2つだ。

  • 自宅学習を認めて登校意欲の醸成を狙う
  • 中学生は内申点対策にも活用可能

 佐々木氏は「制度適用の利点」として、1つ目の「自宅学習を認めて登校意欲の醸成を狙う」の意義が特に大きいと考えているという。不登校児童生徒は何らかの形で自己肯定感が損なわれた状態にある。そこで自宅学習を認めることによって登校意欲を高め、自己肯定感の回復につなげようというものだ。その上で、「決して制度があるから改善されるということではなく、さまざまな物事による複合的な影響のもとで回復につながると考えてほしい」と説明する。

 なお、この制度を利用したのは、平成30年度でわずかに286名。16万人いるとされる不登校児童生徒の総数を鑑みると、実に少な過ぎる数字だ。さらに平成23年からスタートして約8年間のデータがあるが、ほとんど推移に変化がない。制度が認知・浸透されていないことの表れと考えられる。

次のページ
出席扱いとなる7つの要件を満たすためのポイントと注意点

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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