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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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イベントレポート(STEAM教育)(AD)

子どもたちの目がキラキラ! 好奇心と探究心を育むデータサイエンス体験をSASジャパンが提供

「なつやすみ 親子でデータサイエンス2019」レポート

子どもの好奇心を起点に活動した成功経験の積み重ねを大切に

 さて、イベントの方に戻るとしよう。約2時間半の作業を終え、会場では創意工夫に溢れるポスターが完成し、プレゼンテーションまでしばしの休憩タイムとなった。それぞれのテーブルを覗いてみると、いずれも個性的な仕上がり。1日目は一部ながら、次のようなテーマでポスターが作成された。

  • 「チョコレートはお菓子の中で何番目?」
  • 「ガリガリ君のあたりが出る確率予想と実際」
  • 「ポケモンの名前の由来とは?」
  • 「JRの遅延の状況とその理由について」
  • 「みんなで減らそうプラスチック」
  • 「お母さんがバイトをしている焼肉屋さんはいつ忙しい?」
  • 「スライムの成分と伸びの関係について」
  • 「車と歩きと自転車の違い」

 「車と歩きと自転車の違い」をテーマにした宇野浩二さん、十和子さん親子は、自宅から愛知県までの自転車旅行でのデータをもとに分析を行い、ポスターを作成した。

 「旅を自由研究の題材にしたいと思っていたのですが、たまたまイベントの募集を見て、まとめ方のヒントになるのではないかと思って応募しました。事前準備では毎日の走行距離の他、1日の行動をタイムライン化して記録するなど、自分で何を記録するのか、付け方まで工夫していたので驚きましたね」(浩二さん)

 イベントではSASのスタッフと話しながら、走行距離と時間から速さが分かること、その速さが日によって違うことに気づき、十和子さんに「なぜ」という疑問が生まれてきたという。

 「他の日と比べてかなり遅い日があり、地図上では分からなかったのですが、『上り坂が多かった』という体験とつながり、考察を行なっていました。データを分析する際に、数字だけではなく体験があって理解できることもあると。なんとなくそれが伝わったのではないかと思っています」(浩二さん)。

 十和子さんも「絵や工作は好きだけど、数字をグラフにするのが難しかった。お姉さん(スタッフ)に手伝ってもらってできたのでうれしかった」と語り、「また来年もやってみたい」と意欲を見せた。

 休憩時間に続いてのプレゼンテーションでは、「テーマに興味を持った理由」「どうやってデータを集めたか」「予想と結果は合っていたか」「ポスターを作る際に工夫したところ」などが語られた。

宇野さんが発表する様子
宇野さんが発表する様子

 多くの人の前で言葉に詰まったりしながらも、一人ひとりが自分で作ったポスターを誇らしげに掲げ、発表を行なった。実は子どもたちには今日はじめてプレゼンテーションがあることを知らされ、ぶっつけ本番だという。しかし、ものさしで指しながら順に説明を行ったり、予想と結果の差異についての考察を行なったり、新たに仮説をたてて次の分析テーマをあげたり、大人顔負けの熱意のこもった発表に、会場からはしきりと感心する声や笑い声が上がっていた。

 ソリューション統括本部ビジネス開発グループ部長の小林泉氏は、「子どもたちの豊かな好奇心が一番感じられた瞬間だった」とプレゼンテーションを振り返る。

 「子どもたちのプレゼンテーションを見ているとその上手さに驚かされます。特に自分の好きなもの、興味があるものほど熱が入り、面白いんですね。その様子を見ていて強く感じるのが、人間の活動のモチベーションは好奇心が起点であり、最後までドライブする力になるのだということです。SASも『Curiosity』を企業理念として掲げていますが、探究心の源泉はそこにあるのだと改めて実感しました」(小林氏)

 全員がプレゼンテーションを終えると、SASジャパンのスタッフらが審査員となり、投票によって「最優秀賞」「アイディア賞」「ビジュアル賞」「審査員特別賞」「社長賞」の各賞が決定された。1日目の受賞作品は次のとおり。

最優秀賞:湯浅さん「オリンピックのメダルは何個?」

 「オリンピックのメダル予想は大きくはずれましたが、その後のデータ分析から予想につながるまでの考察に説得力がありました。手伝ってくれたお父さんに対する感謝の言葉も印象的でした」

最優秀賞(1日目)の湯浅さんの発表
最優秀賞(1日目)の湯浅さんの発表

写真修正

 最優秀賞の湯浅さんのお写真が誤って掲載されておりましたため、修正させていただきました(2019年12月23日)。お詫び申し上げます。

審査員特別賞:奥出さん「電気の子」

 「話題の映画になぞらえたタイトル付けが秀逸。天気と電力の消費量の関係を自宅のデータから推測し、的確に考察を行っていました。弟のそうまさんとのテーマ分けもユニークでした」

審査員特別賞(1日目)の奥出さんの発表
審査員特別賞(1日目)の奥出さんの発表
社長賞:諸戸さん「お化粧はいつからできるの?」

 「『早くお化粧してみたい!』という願いのもと、お母さんを納得させるために『いつからお化粧できるか』をデータから検証しました。机に伸び上がってポスターを作っている姿が印象的でした」

社長賞(1日目)の諸戸さんの発表
社長賞(1日目)の諸戸さんの発表
アイディア賞:大柿さん「サッカー選手の生まれた月は?」

 「大好きなサッカー選手が何月に生まれたのかを調査し、まとめました。予想通り春夏生まれが多く、大柿さんの生まれ月の10月は少なめ。とはいえ10月生まれの選手もいるので頑張ってくださいね」

アイディア賞(1日目)の大柿さんの発表
アイディア賞(1日目)の大柿さんの発表
ビジュアル賞:山内さん「ペチュニアを上手に育てたい」

 「ペチュニアの咲き具合と天気の関係を調べ、美しい花のモチーフを活かしてきれいにまとめました。新たに導かれた『ピンクの花は暑さに強い』という仮説をぜひ解き明かしてください」

ビジュアル賞(1日目)の山内さんの発表
ビジュアル賞(1日目)の山内さんの発表

 授賞式後には、玉川大学の伊部敏之氏が約4時間に渡るイベントを振り返り、「皆さんが集中して取り組む姿に感動しました」と感想を述べた。そして、「ここに来るまでに準備をしてまとめてという一連の大作業、そして今日はじめて会った多くの人の前で発表したこともいい経験になったでしょう。こうした経験を重ねていくことが、今後の学びに大切になってきます。ぜひ、ご家庭や学校でも意識して、そうした機会を与えてほしいですね」と語り、締めくくりの言葉とした。

玉川学園 学園マルチメディアリソースセンターセンター長 伊部敏之氏

玉川学園 学園マルチメディアリソースセンターセンター長 伊部敏之氏

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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