YE DIGITALは、同社が提供する学校ネットワークアクセス管理装置「NetSHAKER W-NAC」の「学習者用デジタル教科書キャッシュ機能(以下、キャッシュ機能)」が通信の円滑化を図ると評価され、教育現場におけるICT環境の「地域間デジタルデバイド(デジタル格差)」を埋める取り組みに寄与することを、11月27日に発表した。
現在、文部科学省が掲げる「GIGAスクール構想」や「令和の日本型学校教育への移行」などにより、学校教育は変革期にある。これらの取り組みは児童生徒一人ひとりの個性や能力を最大限に引き出し、未来の社会に貢献できる人材の育成を目指している。
また「GIGAスクール構想」の第2段階「NEXT GIGA」では、この構想をさらに発展させ、ICT環境の更新や進化を図ることを目指している。これに伴い、教育現場におけるICT環境の整備が急務となっている。しかし、離島や山間部など地理的条件によりICTの利用やアクセスに差が生じ、教育サービスが快適に受けられないリスクのある地域が存在する。この地理的な違いによるICTの利用やアクセスの差は「地域間デジタルデバイド(デジタル格差)」と言われている。
例えば、授業でデジタル教科書に一斉アクセスした場合、インターネット接続が遅い、または不安定でデジタル教科書の表示ができないことが想定される。また、オンライン教育が難しくなり、インターネット環境が整っていない地域の学生はSTEAM教育が推進される際に外部機関との連携で学習支援を受けにくく、体験活動が制限されるなどのリスクがある。
「NetSHAKER W-NAC」の特徴のひとつである「キャッシュ機能」は、学校内で一斉アクセスが想定される学習者用デジタル教科書や、児童生徒が使用するChromebookのChromeOSアップデート、「NHK for School」のデータなどを一時的に保存し、同じコンテンツへのアクセスが発生する場合にクラウドではなく保存したコンテンツから応答させる機能となる。これにより、クラウドまでの通信負荷が軽減される。
この「キャッシュ機能」を活用することで通信の円滑化を図り、離島や山間部など地理的条件によるICTの利用やアクセスの差を埋めることが可能となる。
北海道奥尻郡奥尻町教育委員会の事例
奥尻町では、2024年7月から「奥尻町教育DX・Step-Up事業」を開始した。この事業は、デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプTYPE1)を活用し、全国の12企業や教育機関と連携して進められている。
今回、この事業の新ネットワーク構築の一環として「NetSHAKER W-NAC」の「キャッシュ機能」が通信の円滑化を図ると評価され、導入された。
奥尻町教育委員会は、Web教育DX支援センターの開設やWeb AI塾の導入など、4つの取り組みを推進しており、2024年度内の本格的な運用を目指している。特に奥尻町内の中学校と高等学校(奥尻中学校、奥尻高等学校)では、共用のPC教室「OKUSHIRI STEAM Lab」を設置し、Web STEAM学習を通じて確かな情報活用能力の育成に取り組んでいる。
「NetSHAKER W-NAC」は、1人1台端末時代の「GIGAスクール構想の実現・拡充」に向けたICT環境の導入・運用・管理を支援する学校ネットワークアクセス管理装置。学校インターネット環境で必要となる各種サーバー機能だけでなく、文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(2019年12月版)」で推奨されている各種セキュリティ機能を搭載している。ローカルブレイクアウト(インターネットブレイクアウト)構成にも対応しており、ボトルネックが生じることがないよう、学校から直接インターネット接続を行うことが可能となる。
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