質疑応答
4人の発表の後、参加者からはさまざまな質問が寄せられた。その中からいくつかを紹介する。
Q.管理職などからの理解を得られない場合はどうすればよいでしょうか?
金子先生:勤務校に前例がない場合は、事例を調べてプレゼンテーションするのがおすすめです。丸投げするのではなく、手続きなどの情報も共有するようにしましょう。学校の困りごとについても一緒に考え、共に解決する姿勢を見せていくとよいのではないでしょうか。
Q.育休を取るかどうかで迷っています。
秋田先生:自分の仕事やキャリアだけにフォーカスするのではなく、そのタイミングに集中するべきものが「仕事」なのか「家族」なのか、長期的に「一番大切にしたいもの」について考えることが大切だと思います。
楠本先生:自分の「欲」に正直になりましょう。40年働く中での1年で、育児や家事はもちろん、スキマ時間の使い方まで含めて、「何をしたいか」で考えてみてはいかがでしょうか。
伊藤先生:部分的に手伝っているだけではわからないことも多いので、家事・育児をすべて経験する機会はあったほうがいいと思います。そう考えると育休はいい機会なのではないでしょうか。
Q.教員が育休を取得する価値とは何でしょうか。
秋田先生:生徒にとって「先生という身近な大人が育休を取ったこと」は印象に残るものです。子どもたちの価値観にも影響し、生徒が大人になった際に働き方が変化していくように思います。
金子先生:「シャンパンタワーの法則」として、教員自身が満たされることで仕事への意欲が湧き、子どもたちに対する教育の質が向上すると感じています。
楠本先生:自分の働き方やキャリアをデザインしていく意味でも、育休は考えるひとつのきっかけになると思います。教員が実践することで、自治体や民間にもいっそう広がればと思います。
伊藤先生:自分の子どもとしっかり向き合うことは、教員としてのマインドセットにも大きなプラスになったと感じています。
なお、セミナーでは参加者から「育休について気軽に相談できる場がほしい」といった声も上がった。これを受けて、登壇者の4人の先生によるLINEオープンチャット「パパ先生育休相談所」が開設された。男性教員の育休に関する悩みや不安を解消できるチャットスペースとなっており、育休について相談をしたい先生におすすめだ。