山田進太郎D&I財団は、STEM(理系)で大学および高等専門学校に進学する女子学生を増やすためのプログラムを支援する、新たなプラットフォーム「Girls Go STEM! ~大学・高専支援プラットフォーム~」の立ち上げを、8月29日に発表した。8月より、全国10大学の参画が決定している。
女子学生の割合が少ない理工系分野においては、特に大学進学や卒業後の活躍の支援が必要とされている。そのため政府は「女性活躍・男女共同参画の重点方針」において、大学と民間企業の連携による女子学生の学業サポートや卒業後のキャリア支援を行うほか、理系学部における女子枠の設置を提案している。
しかし、同財団が実施した大学などへの調査や意見交換の中では、女子学生が理系分野を選択する際のサポートに関して課題が明らかになっている。具体的には、各機関が持つノウハウや経験を共有する機会が不足していることや、中高生の女子に対する情報の周知徹底や集客の難しさ、社会で活躍するロールモデルの見つけにくさといった課題がある。
これらに対応するため、同財団では「Girls Go STEM! ~大学・高専支援プラットフォーム~」を通して、以下の取り組みを実施する。
- 交流機会の提供:大学や高等専門学校が持つ本テーマに関連した知識や経験を共有し、相互に学び合える機会を提供する。
- 広報支援:同財団の公式Webサイト、ソーシャルメディア、メールマガジンなどを通じて、各機関のイベント情報を広く拡散し、集客を支援する。
- キャスティング支援:同財団のネットワークを活用し、企業で成功しているロールモデルのキャスティングを支援する。
- 褒賞:参画機関の活動を表彰し、社会的な価値を示す。また、各機関に所属する学生がボランティア等で活動に協力した場合には、学生自身の社会貢献活動として認められるよう、表彰などを実施する。
この取り組みでは、お茶の水女子大学、北九州市立大学、熊本大学、佐賀大学、滋賀県立大学、芝浦工業大学、信州大学、東北大学ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進センター、八戸工業大学、山梨大学の10大学と協力し、全国の中高生女子にSTEMの魅力を伝える仕組み(エコシステム)を築くことを目指している。
山田進太郎D&I財団は、誰もがその人の持つ能力を発揮し活躍できる社会の実現に寄与するため、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を推進する目的で、メルカリCEOの山田進太郎氏が2021年7月に設立した公益財団法人。
特にSTEMのジェンダーギャップに注目しており、2021年より女子中学生・高校生がSTEMキャリアを前向きに検討し、積極的に自己決定するための機運を創ることを目的に奨学金事業を開始した。2023年からは活動の幅を広げるべく、対象者である女子生徒を取り巻くステークホルダーとなる保護者や学校等教育機関、企業、行政・省庁と連携しながら、各種教育支援イベント等を通じて若い女性の成長と社会進出を支援している。
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