228人への個別指導は不可能──「ELSA Speak」導入前に感じていた発音指導の課題
自身が担当する授業で「ELSA Speak」を導入した髙木氏は、前提として発音指導には個別のフィードバックが必要であることを強調した。
その上で髙木氏は「発音の仕方を学んだところで、それが正しく発音できているかを自分でメタ認知することは非常に難しい。これまでは、授業でクラス全体に対してリピーティングなどをしても、生徒が実際にどう発音しているかは把握できなかった。学年全体で228人の発音に対して、個別でフィードバックをするのは現実的に不可能」と、当時抱えていた発音指導の課題を説明した。
髙木氏自身の経験が「ELSA Speak」導入につながった
髙木氏が聖光学院中学校高等学校(以下、聖光学院)に着任したのは2022年の4月。それ以前の約2年間はオーストラリアの大学院に留学をしていた。留学の準備期間中、髙木氏は「ELSA Speak」を使って自身の発音を磨き、その効果に確信を持ったという。
そして聖光学院に着任後、ELSAのSenior Business Development Managerで、教育界のノーベル賞と言われる「Global Teacher Prize」で日本人初のトップ10に選ばれた経験のある髙橋一也氏とのつながりで、「ELSA Speak」に学校向けのダッシュボードがあることを知り、それが導入の決め手となった。
費用はどうする?「ELSA Speak」を導入するためにとった校内の手続き
聖光学院の英語科では、各教員が自分の担当科目で使う副教材を自由に選ぶことができる。そこで髙木氏は「ELSA Speak」を、当時担当していた英語コミュニケーションⅡに相当する授業で導入することを決めた。
導入に際して髙木氏は、「ELSA Speak」の必要性を校長に説明したという。
髙木氏は「『ELSA Speak』では、アプリ内にあらかじめ用意されているコンテンツで発音練習するだけでなく、教科書の例文などをアプリ内に落とし込み、本校の授業に合わせた発音練習ができる。この点が他のアプリにはないメリットだということを校長に伝えた」と説明する。
また、髙木氏は「ELSA Speak」を英語科全体ではなく、自身の授業にのみ取り入れたため、導入時には念のため他の英語科の教員にも、授業で同アプリを使うことを伝えた。
その結果、興味を持って授業を見学に来たり、「ELSA Speak」を授業で試したりする英語科の教員もいたそうだ。
なお、「ELSA Speak」導入にかかる費用は、保護者からの雑費でまかなった。「アプリ導入に関して、保護者から特に反対の声や問い合わせはなかった」と、髙木氏は述べた。