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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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EdTechZineオンラインセミナー

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プログラミング教育の講師インタビュー(AD)

コロナ禍でも子どもたちが「楽しい」と思える場所を――民間のプログラミングスクールが果たす役割とは?

 2020年度からスタートした小学校でのプログラミング教育や、1人1台の端末配備が進むGIGAスクール構想と、ICTを活用した教育が広がっている。この状況を受け、子ども向けプログラミングスクールを検討する保護者も増えており、近年はプログラミングだけでなく、パソコンの操作やプレゼンテーションなど、デジタルリテラシーやスキルを育むスクールも登場している。2020年に東京・三軒茶屋に開校した「プログラミングスクールegg」もそうしたスクールの1つだ。運営会社ブレイブの代表取締役であり、スクールの責任者を務める中島将太氏に、開校のきっかけや、地域に根差した民間のプログラミングスクールの役割などを伺った。

株式会社ブレイブ 代表取締役 中島将太氏
株式会社ブレイブ 代表取締役 中島将太氏

プログラミングだけでなくITリテラシーも学ぶ理由

――まず、プログラミングスクールを開校したきっかけを教えていただけますか。

 2019年に、翌年から小学校でプログラミング教育が始まることを知り「私たちも何かできるのでは」と考えたのがきっかけでした。何でも吸収できる幼児から小学生にかけての大切な時期に、子どもたちの成長に携わる教室をつくりたいと考え、単にプログラマーを育てるのではなく、これからの社会で必ず必要となる、ITリテラシーやパソコンスキルを育む教室を設計しました。

――とても開放的で、すてきな教室ですね。開校時期はいつごろだったのでしょうか。

 この場所は、もともと飲食店だったんですよ。雰囲気にはすごくこだわっています。2019年12月にブレイブのオフィス内でプレオープンし、正式オープン時の2020年6月にこちらへ移りました。

カフェのような外観の教室。一面に大きく窓があり、開放感がある
カフェのような外観の教室。一面に大きく窓があり、開放感がある
教室内を気ままに歩き回るロボット。「ぴーすけ」は生徒が命名した名前だ
教室内を気ままに歩き回るロボット。「ぴーすけ」は生徒が命名した名前だ

――対象年齢を教えてください。また現在、何名の生徒さんが通っているのでしょうか。

 対象年齢は、年長から小学生としていますが、それ以外のお子さんでもご相談に応じています。

 現在の生徒数は70名ほどです。三軒茶屋エリアにお住まいの方が多いですが、駐輪場があるため自転車で通っている方、沿線から電車やバスで通う方もいらっしゃいます。年齢では小学校低学年が多く、男女比はやや男子が多めといったところです。

 プログラミングは初めての子がほとんどで、保護者も「子どもがやってみたいから」という方もいれば、「身につけさせたいけれど、親が教えられないから」といった方もいて、習い事の一環として認知が進んでいることを実感します。

――eggにはどのようなコースが設けられているのでしょうか。

 コースは、子どもの年齢や興味にあわせて3コースを用意しています。年長から小学2年生までの「たまご」コース、小学3年生からは「ひよこ」コースと「にわとり」コースに分かれています。

 「たまご」「ひよこ」の2コースではパソコンやタブレットの操作や基礎知識、プログラミング的思考を養います。子どもの成長にあわせて、年長や小学校低学年ではタブレットから始め、プログラミングは「Scratch Jr(スクラッチジュニア)」を使用し、その後パソコンへ移行する形をとっています。一方「にわとり」コースでは、パソコン上で「Scratch」を使い、自分で考えたオリジナル作品をつくります。

「人生において主体的な人になってほしい」

――eggでは、プログラミングだけでなく、STEAM教育として幅広い領域を教えていらっしゃいますね。その理由は何でしょうか。また、これらの学びを通して、どのような力が身につくと考えていますか。

 子ども向けのプログラミング教育が目指すものに、「創造力や課題を解決する力を養うこと」がありますが、STEAMも同様で、そういった力をどんどん伸ばしていってほしいと考えています。

 ITが進化を続ける中、年齢や職業を問わずパソコンを使うことが当たり前になっていますが、日本はまだまだ遅れているという現状があります。また、IT技術者の育成が求められているのはもちろんのこと、それだけではなくITやコンピューターを使いこなす人材や、ITとそのほかの分野をマッチングさせていく人材も同様に必要とされるでしょう。

 子どもたちが将来どのような職業を目指したとしても、未来を生きる中で「分析して課題を見つける力」「いろいろなことを創造する力」は必ず役に立ちます。そうした力を身につけて「人生において主体的な人になってほしい」という思いを持っています。

 ある小学5年生の生徒のお母さんからは「プログラミングを学んだことで、ほかの教科でも一つひとつ順序立てて考えるようになった」と感想をいただきました。子どもたちはびっくりするほど成長が早く、一人ひとりの個性があり考え方も違うので、むしろ私たちが子どもから学ぶことも多いですね。

――そういった理由で、eggではパソコンのショートカットキーやタイピングを教えているのですね。

 そうです。eggのカリキュラムではプログラミングだけでなく、タイピングやパソコンのショートカットなども教えています。コンピューターを使いこなす時代にそれらが当たり前にできるよう、美しく使えるように指導しています。

――タイピングは大人でも間違って覚えてしまって、直すのに苦労していますからね。

 子どものうちに身につけることができれば、今後間違えることもありません。そして、子どもはあっという間に覚えていきます。保護者の方も「タイピングは覚えさせたいと思っていたけれど、これほど早くローマ字入力ができるようになるとは思わなかった」と驚かれていました。

 ちなみにeggで使っているタイピングソフトは、講師がScratchでつくったものです。

講師のひる先生がつくったタイピングゲームは、子どもたちに大人気だ
講師のひる先生がつくったタイピングゲームは、子どもたちに大人気だ

――講師の先生はどのような方なのでしょうか。また、子どもたちと向き合う際に、大切にしていることを教えてください。

 eggは先生の年齢が若いことも特徴の1つです。大学生から30代までと、できるだけ子どもに近い年齢の方を採用しています。

 私たちはコミュニケーションが最も大切だと考えていて、常に子どもたちに寄り添うことを意識しています。みんな個性は異なりますので、個々の力、特性をできるだけ伸ばしたいと思っています。そのためにも、子どもたちが嫌になったり飽きが来たりしないよう、楽しむことを前面に押し出しています。そのおかげもあってか、開校以降、退会者はまだ1人もいません。

――保護者の方々とはどのようにコミュニケーションされていますか。

 個別LINEを連絡手段とし、教室のあとに毎回報告を送っています。また、保護者の方から「子どもにパソコンを買いたいのだけれど、どのようなものがいいですか」といったご相談も受けています。

――毎回、個別に話せるのは保護者としても安心ですね。では、今後のeggの展望や事業展開を教えてください。

 今後も、子どもたち一人ひとりの個性を大切にしつつ、楽しんでもらいたいと考えています。イベントについても、eスポーツ大会やお楽しみ会など、子どもたちが飽きずに楽しめるよう工夫していきます。

 2020年の12月には、その1つとして作品の発表会を行いました。希望した生徒およそ20人と保護者の方々が参加し、子どもたちは1カ月ほど準備をして、つくった作品を発表しました。小学校低学年では大勢の前で発表する機会も少ないため、とても貴重な体験になったのではと思います。保護者の方からも「ためになった」「感動した」といった感想を頂きました。

つくった作品を子どもたち自らがプレゼンテーションした発表会の様子(写真提供:プログラミングスクールegg)
つくった作品を子どもたち自らがプレゼンテーションした発表会の様子(写真提供:プログラミングスクールegg)

――発表会もそうですが、民間のプログラミングスクールならではの取り組みもあると感じます。中島さんは、これから民間のプログラミングスクールがどのような役割を担っていくとお考えですか?

 学校の先生方は非常に忙しく、プログラミングやパソコンの基本的なスキルをしっかりと教えられる体制が整っているかというと、現状では難しいのでは……と感じています。だからこそ、もっと私たちのような民間のスクールを頼ってほしいと思っています。昨年の夏には、世田谷区の区立小学校で先生向けの勉強会も開催させていただきました。今後も、学校からのお話があればいつでも連携できるように準備していきます。

 また今後のビジョンとして、教室の中にとどまらない、地域と連携したプログラミングコンテストの開催も構想中です。

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コロナ禍だからこそWebでの集客は必須

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この記事の著者

相川 いずみ(アイカワ イズミ)

 教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、プログラミング教育やICT教育、中学受験、スマートトイ、育児などの分野を中心に、取材・執筆を行っている。また、渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足し、地域の子ども達に向けたプログラミング体験教室などを開催している。一児の...

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篠部 雅貴(シノベ マサタカ)

 フリーカメラマン 1975年生まれ。学生時代、大学を休学しオーストラリアをバイクで放浪。旅の途中で撮影の面白さに惹かれ写真の道へ。卒業後、都内の商業スタジオにカメラマンとして14年間勤務。2014年に独立し、シノベ写真事務所を設立。雑誌・広告・WEBなど、ポートレートをメインに、料理や商品まで幅広...

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森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

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